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経営者の方必見!資金繰りが分からないと会社は倒産します

前回は資金繰りは会社にとっても個人であっても同じで、資金繰りが分からないで、事前の対応(特に資金調達)が出来ないと、会社の事業も個人の生活も破綻するという点をお話ししました。
今回も引き続き資金繰りの構成要素や、理解を深めて頂くうえでのポイントについてご説明したいと思います。
なお、紙面スペースの都合により、以下の「勘定合って銭足らず」のテーマについては、今回(NO-1)と、次回(NO-2)の2回に亘り解説させて頂きますのでご了承下さい。

勘定合って銭足らず・想定企業例1

皆さんの中には、既にこの「ことわざ」の意味を理解されている方も多いと思いますが、ここでもう一度、この言葉の意味を確認してみたいと思います。。
それでは、以下の想定企業 A社 のバランスシート(貸借対照表 以下、B/Sに略)を使って具体的に解説したいと思います。

 【A社】 

   (百万円)
科目残高科目残高
現金・預金1買掛金300
売掛金300支払手形300
受取手形199
棚卸資産500
流動資産1000負債合計600
土地300資本金300
建物200利益剰余金300
繰越利益剰余金300
固定資産合計500純資産合計900
総資産1500資本金・負債合計 1500

皆さんはA社のB/Sを見て、どのような印象を持ったでしょうか。甲 乙 丙 の3人の方に聞いてみました。

 

(1)A社の財務内容に関する 甲 乙 丙 3人の認識と評価

<甲さん>

・総合的な評価 ☞ 「財務内容は良好で経営も順調に推移していると推測」出来る。」

①資本勘定を見ると、利益剰余金3億円、繰越利益剰余金3億円、資本金3億円、計9億円の手厚いい自己資本があって安定した経営をおこなっている企業との好印象を持った。

<乙さん>

・総合的な評価 ☞ 「財務内容は良好で支払能力も高く、当面不安はないと思われる。」

②流動資産(10億円)が流動負債(6億円)を4億円も上回っているので支払能力が高い。

<丙さん>

総合的な評価 ☞ 「一見財務内容はよさそう。でも、よく見るとあり得ないしやばいかも。」

③甲さん、そして乙さんの評価は確かにその通りで適切な評価だと思いますが、しかし・・・・・。

どうも、違和感を感じる B/S だな。(その後、しばらく丙さんは考え込んでいましたが)分かりましたと言って丙さんは、次の点を指摘しました。

現金・預金が百万円しかない。一時点におけるB/Sにしてもこんな会社あり得ない。

流動資産(10億円)の半分、50%は5億円の在庫。残りの5億円は、現預金1百万円と売掛

金3億円と、そして受手取手形 1,99百万円。このバランスでは6億円の買入債務(負債)を返せないのではないか。

 

買掛金+支払手形=6億円 > 現金預金+売掛金=5億円

 

差引 1億円が不足。B/S上の貸借では、在庫5億円のうち1億円が支払債務の調達に見合うことになるので、在庫の流動性(直ぐに換金可能)が心配になる。

無借金経営は良いことですが、上記 ⑤の不足資金が想定されるので、適正な額の運転資金を調達(借入)しないと、資金繰りがまわらないのではないか。

 

以上が、3人の認識であり、A社に対する評価でした。

それでは、次に 甲 乙 丙の評価のポイントを個別に整理して検討したいと思います。

 

(2)甲 乙 丙 の認識と評価の比較

ア.評価内容の整理

評価ポイント
総合評価△     → ✕
財務評価の着眼点手厚い自己資本流動資産総額大
高い支払能力
違和感のある貸借
実態支払能力は低い
企業の継続性安定安定
財務上の問題点不安材料なし問題なし早期に資金調達を進めないと資金繰り破綻する懸念が大きい

 

イ.評価の個別検討

上記のように、3人の評価では甲さんと乙さんが、A社の財務内容を高く評価して、今後のA社の存続に問題ないとの認識を示しましたが、自己資本や流動資産の厚みをもって財務バランス上の支払料力を評価することは誤りではなく、甲さん乙さんともに財務分析の知識のある方だということが分かりました。

 財務分析上の着眼点A社の内容
自己資本比率(%)自己資本(純資産)÷総資本 (%)
900百万円÷1,500百万円×100=60%

自己資本比率は総資産が自己資本でどの程度賄なわれているかを示す値で、高ければ高いほど良い(他人資本=負債のウェイトが低い)とされています。A社の自己資本比率60%は極めて高い水準と言えます。※(注)
流動資産比率(%)流動資産÷流動負債(%)
1,000百万円÷600百万円×100=166.7%

短期的な支払義務がある流動負債に対して、現金もしくは現金化可能な資産(流動資産)によってどの程度賄うことが出来るかを示す指標で、短期的(決済)支払能力を図る尺度とされ、100%以上が好ましい。A社の166.6%は高水準
・B/S のバランス違和感 異常値に着目
・ 当座比率(%)が低い
・無借金経営が命取りになる可能性が大
一見すると(各勘定の合計を見た場合)良好なバランスに見えるが、各勘定の構成要素に問題が含まれている。特に、 現金預金が僅か1百万円では、支払う金がないのと同じ。

当座資産÷流動負債(%)

現金に加えて、現金化の早い売掛金、受取手形を分子に置いた場合、 600百万円÷500百万円=83.3%で100%を割り込み、安全とは言えない。
長年無借金経営を続けて来たため、銀行取引は預金のみで、決算書も銀行に提出したこともない。純新規融資は銀行の融資審査に時間が掛かるため、資金不足で支払手形が立て続けに不渡りになる可能性があり、「銀行取引停止」処分に追い込まれ、破綻する可能性が大きい。

※(注)自己資本比率の低い業界は、金融機関(銀行)です。BIS(国際決済銀行)が、外国為替等の国際業務を海外で営む銀行は8%以上国内でのみ営業する銀行は4%以上と定めています。金融機関の場合はこの比率が低いと信用不安(破綻、取付騒ぎ)が起こるため、国内基準適用行(地方銀行の多く)でも資本政策上は国際基準行並みの8%以上を維持することに努めています。 バブル崩壊による不良債権処理で自己資本を毀損(減少)させた銀行は、一斉に自己資本比率を維持するために貸出資産圧縮に走り、「貸し渋り」、「貸しはがし」という、行き過ぎた「保身行為」が見られたため、政府主導で「公的資金注入」による自己資本比率向上策がとられたことは記憶に新しいでしょう。

 

【銀行のB/S】

Funding necessary for corporate management

 

(3)甲・乙・丙 3者の評価を基にした総括的評価

項目認識・評価裏付ける財務指標
総合評価自己資本比率や、流動比率より、安全性が高いように一見見えるが、流動比率は在庫棚卸の構成比率が高く、棚卸資産の実態を検証しないと換金性の良否は判定出来ない。
さらに、 当座比率も低水準で、短期安全性に問題がある可能性大。
現預金が 異常に少なく1百万円のみ
当座比率 83.3% で100%を割り込み 短期支払能力に難がある。
資金繰り安全性支払債務の合計が600百万円に対して、現預金、売掛金 受取手形の合計が500百万円、在庫棚卸500百万円の計1,000百万円であり、 短期調達(負債)600百万円と、短期運用(流動資産) 1,000百万円の間で、400百万円のギャップ (短期負債による調達ではなく自己資本の一部で賄われている状態)。

売掛債権回転期間 が、 買入債務回転期間 を上回ると、支払債務決済先行型の資金繰り形態となるため、 支払手形決済資金等 に充当するための借入金等の資金調達が必用になるので、資金繰りが見通せない。※(注)
無借金経営を長年続けて来たことは評価できるが、自社の資金繰り形態、特徴を十分把握したうえでの、事前の資金調達が行われておらず、決裁不能となる懸念が大きい。

※(注)運転資金については、次かのコラムの中で詳しく解説したいと思います。

 

以上、表面的な財務数値(内容)では安全性が高いと思われる企業であっても、各勘定科目の内容によっては、その企業に対する認識や、評価が大きく変化することもあります。

資産、負債、資本の各勘定、そして勘定科目の中身(実態)が資金繰りと密接に係り、資金繰りの良し悪しを決定する要因となります。

 

勘定合って銭足らず・想定企業例2

以下の想定企業 A社 のバランスシート(貸借対照表 以下、B/Sに略)をもう一度ご覧ください。 【A社】 第10期途中の某月末時点のB/S (流動資産・流動負債部分)

【A社】 第10期途中の某月末時点のB/S (流動資産・流動負債部分)

前回の繰り返しとなりますが、①「流動比率%」=流動資産÷流動比率が166.7%と良好ですが、当座比率=買入債務(買掛金+支払手形)÷当座資産(現預金+受取手形+売掛債権)が、83.3%と低く、当座資産のみでは買掛金支払、支払手形決済が出来ない状況にあることを確認しました。
まさにこの状態が「勘定合って銭足らず」と言えます。換言すると「勘定があっている」とは、収入と支出を比べた場合、収入 > 支出 なので、損益上は利益が出ている状態を指します。そして、「銭足らず」とは、その言葉の通り支払資金が不足している状況を示します。
皆さんは「黒字倒産」という記事を雑誌や新聞記事でご覧になったことがあると思いますが、黒字倒産は、「勘定合って銭足らず」が倒産原因となったことを示します。

 

2.資金繰り悪化要因は自社の資金繰り構造をよく分かっていないことが原因

(1)仕入先について

A社は会社設立後、10期目の建設資材関連の卸企業です。A社長は前勤務先B社(同業種国内シェア1位))とのビジネス上の軋轢を避けるため、品揃えは全てC社(業界2番手)から仕入れています。

(2)販売先について

地元建設会社D社に95%程度販売しています。A社の強みは、A社長が長年に亘って培って来た地元の不動産業界、一級建築士、同業他社(取扱い製品が重複しない)、建機リース会社、等々の建設業界関連企業とのネットワークを通じていち早く入手した情報を基に、D社向けの資材販売を想定して、まとまった数量を現金で仕入れることによって、仕入原価を引き下げて備蓄を行い、D社への早期の営業を行い、販売に結実させることで、利幅の取れるビジネスモデルを形成して来た点にあります。

(3)現状での必要運転資金の算定

それでは、利幅のとれるビジネスモデルが、なぜ機能せずに支払資金が不足しているのか、資金繰り悪化要因を特定するために、仕入・販売条件を整理したいと思います。

【仕入条件】 

C社に対する仕入条件は、月末締めの翌月末日全額現金(小切手)支払、としてきましたが販売先の回収条件の変更(半金・半手=サイト90日)に伴い、A社も支払手形(サイト90日)現金併用払い(50%)としました。

【販売条件】

D社に対しては取引開始当初は、数量も少なくD社もA社に対して月末締めの翌月末現金(振込入金)でしたが、取引額が増加した2期目の途中(約1年前)から、請求額に対して半金半手(現金が半分、残りを手形支払)かつ、自己振出手形(サイト3か月)に切り替えるよう要請を受けて応諾した経緯があります。

【B/S】流動資産と流動負債のバランスから生じる経常運転資金

上記B/Sのとおり、短期資金調達部門である流動負債(買掛金及び支払手形)総額600百万円に対して、短期資金運用部門の流動資産総額は1,000百万円。単純計算で、△399百万円の運転資金不足が両部門間で生じていますが、
繰越剰余金等の純資産で賄われていることになります。

【B/S】回収・支払条件の差異によって生じる経常運転資金

A社の年商は1,200百万円(月商 100百万円)

<当初の仕入・販売条件>

〇仕入条件 月末締め翌月末 現金支払(サイト1ヶ月) 100%
〇販売条件 月末締め翌月末 現金回収(サイト1ヶ月)  100%
〇棚卸資産 500百万円÷月商100百万円=回転期間 5ヶ月

売掛金(現在の受入手形を含める)499百万円 × 1ヶ月=499百万円
買掛金(現在の支払手形を含める)600百万円 × 1ヶ月=600百万円
棚卸資産 100百万円 × 5ヶ月=500百万円

〇経常運転資金
=買掛金600百万円-(売掛金499百万円+棚卸資産500百万円)
=△399百万円

※経常運転資金 △399百万円と前頁のB/S上の流動負債における運転資金
不足額と一致しますが、受入手形と支払手形残高を 月商100百万円×3ヶ
月(手形サイ)としたことから一致したものです。

<現在の仕入・販売条件>

〇仕入条件 月末締め翌月末 現金50%、手形支払50%(サイト3ヶ月) 〇販売条件  月末締め翌月末 現金50%、 手形回収50%(サイト3ヶ月)  
〇棚卸資産 500百万円÷月商100百万円=回転期間 5ヶ月

売掛金  250百万円 × 1ヶ月=499百万円~A
受取手形 249百万円 × 3ヶ月=747百万円~B
棚卸資産 100百万円 × 5ヶ月=500百万円 ~C
買掛金  300百万円 × 1ヶ月=600百万円~D
支払手形 300百万円    × 3ヶ月=900百万円~E

〇経常運転資金 =(D+E)-(A+B)
=1,500百万円-1,746百万円=△246百万円
以上のように、売掛勘定と支払勘定の残高差異、回転期間によって、A社には不足運転資金が生じていることがわかります。

 

3.A社はなぜ運転資金の不足に気付かなかったのでしょうか

以下にA社のバランスシートをもう一度掲載してみることにします。
そのうえで、このバランスシートに至る以前のバランスシートについて想定を行い、
同社が運転資金不足に至った経緯を確認したいと思います。

 

【B/Sからの想定】

<固定資産取得>
固定資産勘定の土地、建物は自己資金で取得しているが、土地は前期以前に購入。前期から本社を建設中で、今期10期中に完成。引渡しを受けた直後ではないかと想定されます。おそらく、設立10周年の「新本社建設事業」が進んでいるのではないでしょうか。
  
<預金を取り崩して建設資金に充当>
建物資金2億円相当の預金残高があり、A社社長はその預金を建設代金に充当するだけで、良いと考えて預金を取り崩して支払をおこなったものと考えられます。

4.手元資金だよりの会社は倒産します。

このA社社長のように、手元資金があればその範囲内で物を買うこと自体に全く懸念を持たない社長が多いとしたら、景気にかかわらず倒産企業が増加します。
お金に色がついてないから、運転資金なのか、設備充当資金、自己資金なのかわからないが、一先ずあるお金で払ってしまおう( A社長)。
「金は天下のまわり物、そのうち何とかなるだろう」の浪花節では済まされません。
手元資金を全部使ってから、「金が足りないどうしょう。」となる以前に、資金繰りを見て、資金調達をどうするか 等々、社長のやるべき仕事はたくさんあります。

 

よく聞きなれない手形って何?

手形サイト(振出日から手形期日までの日数)と運転資金との関係についてお話するとしましたが、近年、電子債権やファクタリングの利用が増えて、手形流通量が減少しているとは言え、決裁手段の約40%を占める手形取引について、そもそも知らない読者の方もいるのではないかと考え、「手形とは何か」というテーマについてお話したいと思います。

1.手形とは?

皆さんは「手形」という言葉で何を連想しますか。早速「Googleって」みました。

「現金に代わる支払手段」、「有価証券」、「資金調達手段」、「約束手形」、「為替手形」、「手形貸付」、「商業手形割引」、「子手形貸付=商業手形担保手形貸付」、「手形保証」、「設備支払手形=設備支手」、「割賦販売手形=マル専手形」、「支手決済」、「台風手形」、「融通手形」、「手形詐欺」、「手形パクリ屋」、等々

Googleを検索すると、関連するキーワードを含めた多くの情報として浮上しました。上記のキーワードから、手形とは「現金に代わる支払手段として使われるもので、一定の期限後に現金支払を約束した有価証券」と言えます。また、上記の後半に並んだキーワードのいくつかについては、企業経営者の皆さんが金融に関するトラブルに巻き込まれないようにするためにも知っておいた方が良いと思いますので、後半で(次回)触れたいと思います。

2.「手形を切れ」~ 企業内でも良く耳にする営業推進キーワード

さて、「手形を切れ」という言葉を皆さんは聞いたり、自身でも使われたことがあると思います。かつて、私も銀行の渉外係として第一線の営業現場にいた時に、よく上司から言われたことを覚えています。月初めの業務推進会議(略して業推会議)で、計数目標(新規法人融資先開拓○社、新規法人融資○○百万円、既存融資先のシェアアップ=貸出金増加○○百万円等)や、その他の様々な業推項目のノルマ達成状況の確認が行われ、個人別の未達項目の月内達成を「約束」してスタートします。

大小の別なくどの企業も同じだと思いますが、会社全体の年間収益増加目標(売上や利益)が、「年間予算」や「半期予算」として各営業所(規模やポテンシャルによって)に割当てられ、その予算を達成するために熾烈な営業活動が展開されているわけです。
特に金融機関はストックビジネスと言われる通り、貸借対象表上の流動資産に計上される「貸出資産」から生まれる金利収入と、流動負債に計上される「預金債務」の支払利息との差 
額が金融機関の本業における収入となりますので、貸出資産の中身は金利が高く返済期限までの残存期間が長い貸出が多ければ多いほど収益性は高くなります。もちろん金利が高くても回収不能リスクの高い貸出が多ければ、資産査定によって貸倒れリスクに応じた「貸倒引当金」を積み上げる必要性があり利益を圧迫します。

一方、貸出の減資となる預金債務についても、極力、預金金利が低く金融機関の支払利息が少ないことが望まれます。この点、大企業取引主体のメガバンクは、流動性預金(当座、普通、貯蓄、通知預金)のウェイトが高く、地方銀行や信用金庫では固定性預金(定期預金、定期積金)のウェイトが高く、預金利回りがメガバンクに比べて相対的に高くなります。現在のような超低金利下では、預金金利も貸出金金利も低下していますが、景気のもたつきもあって、貸出需要の拡大スピードが遅く、資金運用先(借りて)を求める金融機関同士の競合激化によって、貸出金金利の低下が止まらない状況が続いています。このため、預金利回りと貸出金利回りの利回り差である「利ざや」が大きく縮小し、貸出金を増加させても金融機関の収益(額)は伸びない状況になっています。

そして、本年3月期決算では、約50%超の地方銀行が前期比大幅減益となり、数行では最終赤字決算に陥るなど、金融機関の中でも地方銀行の将来性を危惧する意見が高まっています。先ほど申し上げた金融機関は「ストックビジネス」であるとの点がこの背景に存在します。
各金融機関では個人の住宅ローンや、企業の工場新設や拠点整備、機械設備の増強等、高い金利の長期設備投資貸出金の約定分割返済が進行し最終返済済期限を迎えますが、それに代わる新規貸出金は超低金利のものが圧倒的であり、まして、10年を超える「固定金利」貸出資産が増加する等、今後のストックの中身自体に、低利回資産のウェイトが高まるため、
金融機関、特に地方銀行の長期的な収益力低下が懸念されているところであり、各地方銀行が投資信託、生命保険販売、M&A、ビジネスマッチング等による手数料収入(フロー収益)により、目先の収益確保に活路を見出すべく奔走する意味がお分かり頂けると思います。

話が少し横道にそれたので軌道修正します。私の営業現場時代に戻って話を進めます。
月初会議で「手形を切って」(切らされたとの記述が正)スターとしたまでは良いのですが、思うように実績が上がらずに月の後半戦に突入。業推項目の実績進捗管理を自身の職務と自負するかの上司から、「〇〇。お前手形落とせるのかよぉ」と優しい言葉で愛の鞭が入ります。「そんなに心配なら、テメーで外回って稼いで来いヤー」とは言えない自身の不甲斐なさを嘆きつつも、営業マンとしては「業推手形」の不渡りはつらい経験でした。

3.売掛金回収は極力現金回収で

さて、手形を切るということは手形を発行する(降り出す)こと。

すなわち、現在、現金では支払えないので、手形期日の○月✕日には現金として支払(換金)いますという約束をすることになります。ここで、一点、重要なポイントがあります。皆さんが事業を行ううえで、飲食業等の掛け売りが少ない「現金商売」の事業形態であれば、問題はありませんが、

販売先が手形支払、それも自己振り出し手形を支払条件としてきた場合は、どうするかといった点です。販売先の信用状態については帝国データバンク、東京商工リサーチ等の大手興信所の調査報告書を入手したり、販売先と取引のある業者情報等によりその信用状態を推測して、貸倒れリスクを想定。売るか売らないか、または現金決済かつ売掛サイトを10日締めの当月末支払とする等、いわゆる「与信管理」を行うことが必用です。また、現金支払であった先から、手形支払に切り替えたいとの申し出があった場合は、先方の資金繰り悪化の兆候として捉えることが必用です。

どこかの大口販売先の売掛債権回収が滞っていないか、何故手形支払いに変更するのか、直接、先方に出向いて説明を受ける等の対応が必用です。 なぜならば、販売先における大口販売先の売掛金回収遅延は相互に依存度が高いほど「連鎖倒産リスク」が大きいと言えるからです。 このような場合は、以下の対応をお薦めします。

 

【手形受取】のポイント

1.事前に先方と交渉して極力現金支払に変更してもらう。

やむを得ない事情を理解したうえで取引を継続する場合、半金半手(現金、手形比率を50%程度)とするとか、先方の手持ち手形のなかで、信用力が高く金額的に見合うものはないか聞き出し、その手形に裏書させて回し手形として受取、不足額を自己振り出し手形にしてもらうよう交渉する。

2.一時的な手形支払なのか、今後も手形支払が続くのかを見極める必要があり、先方の資金繰りの説明を受けて納得できない場合は、現金支払を譲らずに取引解消も辞さない対応が必用であり。納品済みの商品が在庫されている場合は、返品を要請して在庫回収を行う等の強硬手段も検討する。

【参考】経済産業大臣、公正取引委員会委員長による「下請け取引適正化の要請」(平成30年11月27日 公取企 第87号 親事業者代表宛要請 以下、抜粋)
※親事業者による下請け代金の支払について

(1).下請け代金の支払は、出来る限り現金によるものとすること
(2).手形で支払う場合は、割引料を下請け業者に負担させることがないよう下請け代金の額を十分に協議すること。
(3).手形サイトは、将来的に60日以内とするよう努めること。

 

監修者

ひとこと

自分の会社がどのような状況に置かれているかを把握して、初めて有効な対策を打つことができるようになります。私達には中小企業を何百社と見てきた「実績」があります。ぜひ、まずはご相談ください。

 

氏名

山取 大希

資格

:税理士 (関東信越税理士会川越支部 登録番号 128770号)     

:事業承継士     

:一般社団法人 事業と資産を承継させる会 代表理事     

:川越一番街商業協同組合 顧問税理士

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