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経営者様必見!!銀行はここを観て融資します―資金調達イロハのイ―

金融機関の評価が高まると融資が受け易くなります。

金融機関の融資が受けやすくなるということは、裏を返せば皆様のご事業、企業経営について融資する金融機関が一定の評価(この条件なら融資してもOK)を持つことになります。
小規模事業所や中小企業の皆様にとって、事業拡大を図るためには金融機関からの資金調達パイプを持つことは欠かせない命綱となります。そして、その命綱を太くするか、細くするかは皆様方企業経営者の腕次第です。
企業経営の成果(企業実績)を金融機関に上手く繋げて、融資を受け易くすることも経営者の腕次第と言えます。そこで、金融機関の評価を高めるためには、何が必用で、どうすれば良いか留意して頂きたい点を、「銀行審査目線」でご説明したいと思います。

1.融資先企業に対する銀行審査目線

(1)企業(事業)内容が理解・把握できるか

「何をやってる会社?」「業歴は何年?」「社長はどんな経歴の持ち主?」「販売先は?」等々
製造、卸、小売、サービスの業種・業態、立地条件等で、融資審査・判断の視点が異なり、金融機関が事業内容をより深く理解することが融資判断のポイントとなります。
従って、自社の事業内容を分かり易く金融機関サイドに伝える工夫も社長の手腕の一つです。

☞【ポイント】1.

事業内容が一目で分かる「会社案内」があればベスト、無ければA41枚程度の金融機関向け「簡易版会社概要表」を作成しておくと良いでしょう。

(2)財務内容は良いのか悪いのか

金融機関は直近の決算と過去3機分の決算の内容を財務分析の手法を使って分析します。

☞【ポイント】2.

直決算報告「B/S」、「P/L」に加えて、前期比較「B/S」、前期比較「P/L」を作成しましょう。
前期に比較して財務内容が向上した点、悪化した点、悪かった点の対策について簡単な説明書を作成しておき、金融機関への決算書提出の際に、社長自身から説明できるように準備しておきましよう。

(3)業界における地位は高いか低いか

金融機関は帝国データーバンク(TDB)、東京商工リサーチ(TSR)等の興信所の企業情報データベースの利用契約を結んでいて、一定の仕入・販売先情報は把握しています。

☞【ポイント】3.

サプライチェーン、ヴァリューチェーンの中で自社がどの位置にいるのか。
主要販売先との関係は良好なのか、他社のシェアを上げて行くのか、新規販売先の開拓状況等の営業戦略(どの先をどのように伸ばすか、縮小させるか等について、社長自身から明確に説明できるように準備しておきましよう。

(4)今後の業績見通しは良いのか悪いのか

自社の業種・業界の動向は、企業経営者の皆様が直に肌で感じているはずであり、逆に業界内の情報については、一番よく知る立場でないとなりません。上記(3)とも関係するので、金融機関からの質問に明確に応えられるように情報を整理しておきましよう。

☞【ポイント】4.

業界動向は好調なのか不調なのか?その原因が何であるのか?
また、自社の今後の業況に対して「良い影響」なのか、「悪い影響」が予想されるのか。その対応策を明確に説明し、金融機関が納得できるようにしましよう。

(5)保有資産は潤沢なのか希薄なのか

融資判断の重要なポイントの一つは、代表者個人の資産を含めて保有資産が潤沢かどうかといった点です。
近年、金融庁は従来の金融機関の融資姿勢を改善しないと、中小企業の経営改善、事業拡大の妨げになるとの問題意識から、「融資先の事業をより深く理解することを通じて事業性評価の観点を強化(目利き力向上)し、担保や保証に過度に依存しない融資(事業性評価融資)を推進すること」を金融機関の指導方針として、監督が強化されています。

しかしながら、大企業に比べて貸倒れリスクの高い中小企業融資専門の中小金融機関にとっては、保証協会の保証付保や不動産担保設定は行わないまでも、融資企業に資産背景(担保余力)があることは融資判断において重要な判断基準です。

☞【ポイント】5.

固定資産投資を目指した流動資産ストックを積み上げることが必用です。
会社の資産は一朝一夕には増加しません。地道な経営努力により利益を確保して流動性(預金残高)を積み上げて、不動産購入時点の原資としまししよう。

 

2.企業格付けとは?

上記2の(1)~(5)の銀行審査目線に関しては、財務分析を中心とした定量評価と、その成果が生まれる企業活動のメカニズム(売上や利益獲得の構造、プロセス、業界地位、バリゥーチェーン等)に関する定性要因を分析した定性評価で構成されています。この定量評価と定性評価を組合わせた評価を、金融機関では「企業格付け」と呼んでいます。

◎「企業格付け」とは、信用リスク(貸倒れ)の高低によって格付けしたもので、Aランク複数のランクが設定されています。
企業格付けは、このクラス(例:A-1)の融資先は、総与信 ○00百万円以内、無担保与信(00百万)以内、支店長決済可。
貸出金利は優遇金利 〇.△✕% 以上は支店長決済で可 等々、統一的な与信方針を示す指標となっています。

 

3.企業格付けと債務者区分はどう違う

(1)企業格付けが上がれば融資条件も優遇される

金融機関は融資の申込を受けて審査を行い、融資取扱いを決定(認可)するか、謝絶(否決)するかの二者択一の選択を行います。その判断基準の一つが「企業格付け」による、融資方針であり融資取扱いの基準となるものです。
企業格付けは年に一度の「自己査定」の次期に各企業の決算実績を基に更新される仕組みです。企業格付けが高いほど有利な条件で資金調達が出来ますが、企業格付けが低いと融資条件が厳しくなり、貸倒れリスクが高い「低格付け先」は、原則として融資不適格となってしまい、融資回収方針先となってしまいます。

(2)債務者区分とは何か

「企業格付け」は、各金融機関が債務者(借入人)の状況を検討して、貸倒れリスクの高低を判定した結果が反映されたものであります。
一方、金融庁はバブル経済破綻後の金融機関の不良債権増加、これに伴う金融機関の相次ぐ破綻を受けて、自己資本が目減りした金融機関への公的資金投入を行い、金融市場の安定化を図る一方で、金融機関の融資債権の厳格な自己査定による不良債権予備軍の早期洗い出しと、不良債権に見合う引当金計上を全ての金融機関に義務付けました。

これに伴う、共通尺度とされたのが、「債務者区分」という考え方です。業況や返済状況に応じて、「正常先」「要注意先」(ヨウチュウ)「破綻懸念先」(ハケ)「実質破綻先」(ジッパ)「破綻先」の5つの区分です。
債務者区分とは、企業格付けによる貸倒リスクの評価を基礎とした、貸出債権分類の定義と理解してください。

【参考】債務者区分一覧表

債務者区分格付標記債務者格付けの定義
正常先A1〜A3債務履行の確実性が非常に高く、与信管理上の安全性が非常に優れた水準にある先
B1〜B2債務履行の確実性に当面問題なく、与信管理上の安全性が十分な先
C1〜C3債務履行の確実性と与信管理上の安全性に当面問題がない先
D1〜D3債務履行の確実性に現状問題ないが、将来の環境変化に対する抵抗力が低い先
要注意先E1・E2金利減免・棚上げを行っている等貸出条件に問題のある先、元金返済もしくは利息支払が事実上延滞している等履行状況に問題のある先の他、業績が低調ないしは不安定な先または財務内容に問題がある先等、今後の管理に注意を要する債務者
破綻懸念先F1現在、経営破綻の状況にはないが、経営難の状態にあり、経営改善計画等の進捗状況が芳しくなく、今後、経営破綻に陥る可能性が大きいと認められる債務者(金融機関等の支援継続中の債務者を含む)
実質破綻先G1法的・形式的な経営破綻の事実は発生していないものの、深刻な経営難の状態にあり、再建の見通しがない状況にあると認められる等実質的に経営破綻に陥っている債務者
破綻先H1法的・形式的な経営破綻の事実が発生している債務者

監修者

ひとこと

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氏名・資格

桒原 賢志 ・ 税理士

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