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事業再生・企業再生について(売上高が不足する原因が、受注はできているが継続できない場合)

前回のコラムでは、
・事業再生・企業再生の概要
・事業再生の具体的な手法
・売上高が不足していて、取引先が1社に集中している場合の対策案

について、記載しました。
今回のコラムでは、前回の続きの「売上高が不足する原因が、受注はできているが継続できない場合」の対策案について記載したいと思います。

1、対策案の提示(売上高が不足する原因が、受注はできているが継続できない場合)

このケースの会社の特徴は、下記の通りになります。

<このケースの特徴>

・社長の営業力は十分にある
・社長が仕事を取ってくるが内部体制が整っていない
・社長のワンマン経営
・低価格路線

こちらのケースの会社の社長は、前回のコラムで記載した「取引先が1社に集中している場合」の会社とは、真逆のタイプの社長でいわゆる「イケイケ型」と言われている方が多いように思います。
とりあえず、「取れる仕事は取っていこう」、「仕事を取るのは自分の仕事」、「それを回すのは従業員の仕事」といった感じで、とにかく仕事を取っていきます。
しかしながら、仕事を取るのはいいけど、その後の対策をとっていないため、結果、仕事がおろそかになり、契約の解約だったり、単発案件で終わってしまったりします。
このケースは、不動産業や士業に多いケースと言えます。では、このようなケースの会社の場合、どのような対策案が有効なのでしょうか。
具体的には、下記の通りになります。

<このケースの対策>

・社長の意識改革

のちのコラムで詳しく「社長の意識改革について」記載しますが、このケースの社長には、仕事に対する意識改革が必要になります。
このケースの社長は、自分に自信を持っているプライドの高い社長が多いというのが特徴です。
自分のやり方が絶対正しいのだという意識を持っていることから、他人の意見を聞こうとしません。
このようなタイプの社長には、数値をベースとして問題点を指摘し、このままではダメだということを辛抱強く伝えることが必要になってきます。

また、のちの章の「内部体制の提案」で詳しいことは記載しますが、内部システムが改善すれば大きく会社が変わることも辛抱強く伝えていきます。
仕事を取ってくる営業力はあります。社長の意識改革、内部体制さえ整えば大きく飛躍する可能性のある会社であるので、上記のことを指摘することがかなり重要になっていきます。

 

2、対策案の提示(売上高が不足する原因が、見積り、問合せは多いが受注につながらない場合)

このケースの会社の特徴は、下記の通りになります。

<このケースの特徴>

・社長の営業力はそこそこある
・会社のモノ(サービス)に魅力はある
・モノ(サービス)の価格設定に問題がある
・見積書、料金表の見せ方に問題がある

このケースの場合は、社長は積極的に営業を行い、広い人脈を持っているケースが多いです。ただし、肝心な受注につながらない、つまり「会社の商品の見せ方が悪い」といえます。では、このようなケースの場合、どのように対応すればいいのでしょうか。具体的には、下記の通りになります。

 <このケースの対策>

・価格設定の見直し

見積書を見せた結果、受注につながらなかったということは、価格条件が見合わなかったことが一番の原因として考えられます。

まず基本的な所で、社長が類似商品の相場観を分かっていないケース(このようなケースは、結構あります)があるのでそこを調べます。
市場相場を上回る価格を提示していては、よほどのことがない限り受注はできません。

・商品の見せ方の見直し

相場観を把握することは、かなり重要ではありますが、市場価格を上回ることが必ずしも悪いことではありません。むしろ中小企業が勝負するところは、価格ではないと思っています。上回るだけの理由があればいいのです。そして、このケースの大多数の会社は、一工夫することで、市場価格を上回るモノ(サービス)を提供できるようになる実力は、持っています。
そのような会社には、賞品やサービスの見せ方を意識していただきます。例えば、きちんと自社の商品の魅力を伝えられるパンフレットを作る、今提供しているサービスに+αを加えたら、追加料金をもらえるのではないか?等の提案を行っていきます。

 

3、対策案の提示(売上高が不足する原因が、そもそも受注(問い合わせ)が来ない場合、そもそも実力不足)

このケースの会社の特徴は、下記の通りになります。

<このケースの特徴>

・社長が経営者として未熟
・社長としての意識が低い
・従業員感覚が抜けていない(独立したケース)
・フランチャイズ経営者

このケースの場合は、現在の意識をすべて変えていただく必要があります。どうしても、「従業員」としての意識が抜け切れていない場合が多いです。したがって、自社の強みを再確認していただくとともに、経営者としての立ち振る舞いや哲学などを中心にお話をしていきます。具体的な対策案としては、下記の通りになります。

<このケースの対策>

・経営者としての基礎的な知識の習得

前回のコラムのケース、先ほどまでのケースは、特定の事情が解決すれば業績の改善ができる場合でした。しかし、このケースはそもそも論として、社長としての実力が不足していたり、財務や営業のノウハウを持っていないケースが多いように思います。
すべてではありませんが、具体的にいえば、脱サラしてチェーン店のフランチャイズオーナーになった社長、従業員として勤めていた先とまったく同じ業種で独立した若手社長に多い傾向にあります。
このような社長に関しては、1から10まで経営者として知っておくべき基本的なことをお教えしながら、事業再生を行うという形になります。

例えば、サラリーマンと経営者の違い、従業員としての仕事と社長としての仕事の違い、社長業のリスクと覚悟、社長として知っておいていただきたい財務の基礎知識等です。

今回のコラムは、以上となります。前回に引き続き今回のコラムも、売上高が不足していて、財務的に厳しくなり、事業再生が必要なケースを記載していきました。
一概に「売上高が不足している」といっても、会社ごとに置かれている状況が異なることを理解していただけたのではないでしょうか?

事業再生が必要な会社がどのような状況に置かれているかを把握して、初めて有効な対策を打つことができるのです。
読んでいただいている社長や幹部の方の会社が、もし事業再生が必要であり、かつ売上高が不足していることが事業再生に必要な原因の一つであるのであれば、まずは現状把握から初めていただけたらと思います。
次回は、売上高の不足が原因ではないにもかかわらず、事業再生が必要な場合の具体的な対策案、対策案を提示したあとの弊社が行っている事業再生業務について、記載していきます。

監修者

ひとこと

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氏名・資格

桒原 賢志 ・ 税理士

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