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会社売却や事業売却でかかる税金?売却の種類や税金対策も紹介

会社売却はみなさんご自身の経営者としての非常に大きな決断になります。それにより、身軽になり新しいステップを踏み出せるのはとても素晴らしいのですが、最後に問題になるのが税金です。会社売却して利益が出ると、当然それに対して税金がかかります。高額になることもあるので、この税金について今回はよく理解してください。

会社売却でかかる税金とは?

会社売却の際に発生する税金は、いくつかあります。

具体的には

  1. ・所得税
  2. ・住民税
  3. ・消費税
  4. ・法人税
  5. ・法人住民税
  6. ・事業税

が発生します。上記すべての税金が発生するわけではなく、売却する人が個人か法人か、何を売却するのかで変わります。6種類の税すべて支払うのはまれであると解釈ください。

会社売却の種類 (株式譲渡、事業譲渡)

会社売却には大きく分けて2種類の方法があります。

株式譲渡

「株式譲渡」とは、自分の会社の株式を、別の個人や法人に売却することをいいます。会社そのものの売却に該当します。

会社(法人)の株主は、個人である場合と法人である場合、両方のケースがあります。

多くの場合、経営者は個人として、自分の会社の株式を持っています。会社の株式を他社に譲渡(売る)ことで、会社は経営者の手から離れ、新しい経営者のものになります。売却した場合、売却益を得ることができ、それに対して税金がかかります。

なお、法人として株式を持ってて、それを売却するケースはそれほど多くありませんが、親会社が子会社の法人を売却するケースなどが該当します。これにより、親会社-子会社の関係はなくなり、経営権を失います。

  1. ・経営者個人が会社の株式を売却するケース
  2. ・経営者が経営する法人が会社の株式を売却するケース

この2パターンがあり、それぞれかかる税金が異なります。

事業譲渡

「事業譲渡」は、会社そのものの売却ではなく、その会社で行っている事業の中で1つまたは複数の事業を売却することをいいます。

会社自体の売却ではなく事業部門の売却なので、株式の売却はせず、経営権を失うこともありません。一部事業、技術、人員、設備などを新しい会社に有償で引き取ってもらうというイメージです。

売却主体は法人であり(会社の事業は法人のものなので)、個人が売却主体になることはありません。

事業譲渡した際にも税金が発生します。

株式譲渡によって会社売却でかかる税金

上述のように、株式譲渡による会社売却は

  1. ・経営者個人が会社の株式を売却するケース
  2. ・経営者が経営する法人が会社の株式を売却するケース

この2パターンがあり、それぞれ税金が異なります。

経営者個人が会社の株式を売却するケースの税金

個人が会社の株式を売却したときにかかる税金は「所得税」と「住民税」です。会社売却に伴う所得は個人の「譲渡所得」になります。税金の金額は以下のように計算します。

株式譲渡所得の金額=総収入金額(株式売却価額)-必要経費(取得費+委託手数料等)
税金=譲渡所得×20.315%(税率:所得税&復興特別所得税15.315%+住民税5%)

例:売却価格2000万円、経費100万の場合
税金=(2000万円-100万円)×(税率:所得税等15.315%+住民税5%)
  =2,909,850円+950,000円
  =3,859,850円

経営者が経営する法人が会社の株式を売却するケースの税金

法人が会社の株式を売却したときにかかる税金は「法人税」と「法人住民税の法人割」と「法人事業税の所得割」です。会社売却に伴う所得は法人の本業利益に合算され「課税所得」になります。会社売却にかかる税金のみを単独で支払うことはありません。税金の金額は以下のように計算します。

譲渡益の金額=総収入金額(株式売却価額)-必要経費(取得費+委託手数料等)

税金=(譲渡益+本業の利益)×実効税率(税率:法人税+法人住民税+法人事業税:約30%~40%)

例:本業の利益0円、株式譲渡益5000万円、法人税率等30%のケース
税金=(0円+5000万円)×30%=1500万円

個人の株式売却と比較し、法人の株式売却による会社売却は税額が高めになります。

事業譲渡によって会社売却でかかる税金

会社が自社の事業の一部を売却したときにかかる税金は「法人税等」と「消費税」です。譲渡益は、事業の売却価格のうち(譲渡する資産−負債の差額(純資産))を上回った金額となり、計算方法は株式譲渡の計算方法とは異なります。

また株式譲渡では発生しなかった消費税もかかるのが特徴です。

税金の金額はそれぞれ以下のように計算します。

法人税等

法人税等(法人税+法人住民税+事業税)は以下にように計算します。

譲渡益 = 売却収益 − (譲渡資産 − 譲渡負債)
税金=譲渡益×法人税等の実効税率(30%~40%)

例:売却収益:1億円、譲渡資産:4000万円、譲渡負債:2000万円、法人税率等30%のケース

譲渡益 = 1億円 − (4000万円 − 2000万円) = 8000万円
税金=8000万円 × 30% = 2400万円

消費税

消費税は以下のように計算します。

消費税 = (売却収益 − 非課税資産) × 10%

例:売却収益:1億円、課税資産:6000万円、非課税資産:4000万円のケース

税金= (1億円 − 4000万円) × 10% = 600万円

会社の資産には「課税資産」と「非課税資産」があります。非課税資産は消費税が発生しない取引なので注意してください。

課税資産の例

非課税資産の例

土地以外の有価固定資産

土地

無形固定資産

有価証券

棚卸資産(商品在庫等)

債権

「のれん」(営業権)

 

会社売却における税金対策

会社売却に伴い発生する各種税金を少しでも減らす節税方法について紹介します。実践できそうなものがあれば取り組みをお願いします。

役員退職金を活用した上で株式譲渡を行う

退職金(退職所得)には控除が大きく、退職金にかかる税金が少ないのは知られています。それを利用し、会社売却(特に株式譲渡の場合)する前に、役員を退職してしまいます。

「退職金にかかる税金」<「会社売却にかかる税金」になります。

そうすると、まず退職金(少ない税金)をもらったうえで、さらに会社売却にかかる譲渡益(高い税金)をもらいます。税率が低い退職金を先にもらい、残った会社の資産価値などをもとに、ステップ2として譲渡益をもらって節税するというやり方です。

多額の売却益を多額の経費により相殺する

法人株主が子会社の株式譲渡により会社売却する場合に使える節税方法です。

会社(子会社など)の売却時期を、多額の経費を計上する時期を合わせることで法人税等を相殺します。

例えば、5000万円の株式譲渡益を計上したのと同じ事業年度に、5000万円の設備投資(新工場建設など)をすることで法人税等の金額はゼロになり節税効果があります。

第三者割当増資を行う

会社売却が金銭的な問題ではなく、M&Aなど経営権を譲渡したいという目的ならば、株式譲渡をせずに「第三者割当増資」で対応できます。

第三者割当増資とは、経営を委ねたい第三者に対して、新規に発行した株式を購入してもらい、過半数の株式を取得させ、経営権をその第三者の支配の下に置く手法です。

株式譲渡、売却せず、自分は株式を保有しながら、第三者に会社の経営権を譲ることができます。高齢化による事業承継などを希望する場合、株式を持ち配当などを受けながら、第三者に経営を譲ることができるメリットがあります。

まとめ 企業の経営に関することのご相談は「企業パートナー110番」へ

会社売却は大きな経営判断であり、ご自身の会社への関与ができなくなるかもしれない方法です。資金に困っての会社売却なのか、不採算部門を整理し、新しいステップに進むための会社売却なのか、M&Aによって他者に経営を委ねたいのか、目的によって、会社売却の中身も変わってきます。

会社売却によってかかる税金の計算や節税方法など、経営者だけではわからないことはぜひ専門家に聞いてください。

「企業パートナー110番」には専門家がおり、戦略や税金面や節税方法などについて適切にアドバイスさせていただきます。

大きな決断の前にはしっかりした準備が必要です。是非「企業パートナー110番」までお問合せください。

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