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企業アライアンスとは?メリットとデメリット、M&Aとの違いとは

飛行機に乗ると「〇〇(社名)はアライアンスを提携指している△△航空とのコードシェア便を運航しています。」というメッセージを聞いたことがある人もいるかもしれません。1社では運航できない路線を、複数の航空会社と提携し、それぞれの会社の顧客を維持しながら(マイルなどを稼げる)、赤字にならないように飛行機を飛ばすことができます。このような企業連合について今回は解説していきます。

アライアンスとは?

アライアンスとは緩やかな企業相互の協力体制を指します。
アライアンスを締結する各企業は、時間や資金をあまりかけずに、経済的なメリットを享受することができます。

アライアンスは緩やかな協力体制ゆえ、思惑が外れたり、結果が伴わなかったりした時の「損切り」、関係の解消も容易にできるものになります。

アライアンスの目的とは

企業アライアンスを行う目的はいくつか考えられます。

得意分野を相互に担当し強みを伸ばす

開発力が強い企業、広告・営業力が強い企業がアライアンスをすることで、分業によってそれぞれの得意分野を担当し、お互いの強みを生かすことができます。

人出不足の企業の余剰人員を出す

アライアンスを組んでいる企業が人手不足の場合、余剰人員を貸し出すことで、新規採用のコストを抑えて人材を登用することができます。

共同の営業窓口を設ける

営業先を共同利用することで、事業の効率化が図れます。飲食関係のアライアンスならば、仕入れ先を同じにすることで、安価で無駄のない原料の調達が可能になりますし、販売先を統一化することで、営業コストを削減できます。

総じて、アライアンスをすることで「お互いの強みを生かし」「弱みを補い」「リスクヘッジを図る」ことができ、それが目的になります。自社だけではコストや労力がかかることを、アライアンスによって軽減していきます。

M&A、資本提携や業務提携との違い

アライアンスと似た概念にM&A、資本提携、業務提携があります。それらを表にまとめました。

アライアンス

M&A

資本提携

業務提携

独立した複数の企業の緩やかな協力体制。

企業を買収、分割、合併により、その経営権を取得すること。企業買収や事業承継となる。

独立した複数の企業が資本参加を伴って協力関係結び業務を行うこと。資本の移動を伴う。

独立した複数の企業が協力して業務を行うこと。

資本の移動は伴わない。

アライアンスとM&Aは明確に異なり、M&Aの場合、その企業の経営は相手に奪われてしまいます。

アライアンスと資本提携、業務提携は似ていて、特にアライアンスと業務提携はほぼイコールだとする専門家もいます。

アライアンス:広く企業同士の「提携」を意味する

資本提携、業務提携:資本の移動を含むか含まないかで企業提携を見る

企業同士が協力することの中身まで踏み込んだ分類が、資本提携、業務提携で、アライアンスはそれらも包含し、もっと緩い意味で企業間の連携を広く包む概念になります。

アライアンスの種類

アライアンスと一言で言ってもいくつかの種類に分けられます。簡単にそれらについて解説します。

生産提携

生産提携とは、自社製品の販売実績が好調で生産が追いつかず、供給力が不足してしまったときのリスクヘッジのため、アライアンスを締結している企業に、生産ラインや製造ラインの一部を委託することです。
これにより、自社の生産能力アップ、アライアンス企業は工場の稼働率を高めることができます。品質が同じでないといけないので、製造仕様書などで細かいところまで固めておく必要があります。

販売提携

販売提携とは、すでに販売ルートや販売ノウハウを持っている企業に自社製品の販売を委託するアライアンスです。
技術力はあり品質の高い商品を生産できるが、営業、販売に不安がある企業が、販売に強い会社と提携します。
自動車会社と販社のような関係を、子会社やグループ会社ではなく、アライアンスで構築していきます。

技術提携

技術提携は、アライアンスの独自技術やノウハウさらに、人材を活用して新しい製品などを開発します。
家庭用ゲーム機などでは、さまざまな技術提携により、新しいコンセプトのハードウェアを生み出している例もあります。

アライアンスのメリット

アライアンスを締結することで得られるメリットがあります。

企業競争力の向上

お互いの弱み、弱点をアライアンスによって克服できます。技術力はあるが営業力が弱い会社が、営業に強いアライアンス先の力を借りることで、両方強い=競争力のある体制を構築できます。
相互に弱点を補うことでwin-winな関係となり、企業競争力は向上します。

独立性の維持

緩やかな業務提携、協力体制がアライアンスなので、M&Aのように経営権を奪われることなく、自社の独立性を維持できます。
資本提携まで踏み込まなければ、株式を通じて間接的に圧力を加えられることもありません。
お互いの経営に踏み込まないことは、経営方針の維持や社風の維持にもつながります。社風が変わり、社員や役員が大量流出することもありません。

迅速な意思決定ができる

関係構築や関係解消もスピーディーに進みます。資本提携やM&Aまで踏み込むと、意思決定を株主総会などに諮り、時間をかけた審議の必要が出てきます。
緩やかな協力体制であるアライアンスならば、合併や買収ではないため、M&Aに比べて関係の解消が速やかに行えるのも大きなメリットとして挙げられます。

時間・コストがかからない

M&Aは合併や買収を伴うので手続きが複雑ですし、事前協議なども必要です。もちろん、買収にあたり多額の資金も必要になります。お互い後には引けない決断になるので、細部に至るまで詰めの協議が必要になります。
しかし、企業アライアンスの場合は、緩やかな協力関係を結ぶだけなので時間もお金も手間もコストもかかりません。これは企業にとっては大変ありがたいことになります。

アライアンスのデメリット

一方でデメリットについても押さえておきましょう。

アライアンス効果が生じにくいことがある

アライアンスは企業間の緩やかな協力体制なので、期待したほどの成果が得られない可能性があります。
踏み込んだ協力ではないので、その部分については最初からある程度割り切らないといけません。もっと成果を上げたいのであれば、資本提携やM&Aなどに踏み出すことです。
成果が出ないだけではなく、場合によっては損失を出してしまうリスクもある程度は覚悟しておいてください。

自社の技術やノウハウ、知的財産が流出する恐れがある

緩やかな協力関係ではありますが、お互いに情報を提供しあうこともあるので、自社の秘術やノウハウ、知的財産などが漏れてしまうことがあります。
それをアライアンス先に活用されては、庇を貸して母屋を取られることにもなりかねません。
契約時点で、秘密保持条項の制定や、秘密保持契約書の締結など、セキュリティに対するリスクヘッジが必要になります。

アライアンスの注意点

アライアンスは、M&Aなどに存在するデメリットを排して、気軽に各企業の長所を生かせる仕組みですが、注意していただきたいことがあります。

提携の範囲・内容、成果物の権利等に注意

アライアンスによって生み出された利益や権利がどの企業にどのくらい帰属するのか、契約時にはっきりさせておく必要があります。
「自社の手柄だ!」とお互いに主張して、提携どころか泥沼の争いになってしまっては意味がありません。せっかく協力体制を構築するのですから、争いを生まないように事前にしっかり提携について確認をお願いします。

提携を解消する際の解消方法、解消後の対応等に注意

アライアンスは比較的気軽に提携を解消できます。しかし、お互いに禍根が残るような決裂は避け、あくまでビジネスパートナーとしての付き合いは続けられるように、円満に、穏便にアライアンスを解消できるような準備をしてください。

再びアライアンスをすることになるかもしれませんので注意が必要です。

まとめ 企業の経営に関することのご相談は「企業パートナー110番」へ

アライアンスによって、自社の強みを生かし、弱みが克服され、事業展開が進みます。他の提携方法やM&Aよりも副作用が少なく、気軽に提携できますが、だからこそ注意すべきこともあります。
アライアンス企業は仲間であるライバルでもあります。ぜひ良好な関係を構築してください。
「企業パートナー110番」では経営サポートの一環として、アライアンスについてアドバイスをいたします。M&Aなど踏み込んだ連携ではない段階で、協力を求めたいケースではアライアンスは有効に作用します。
ぜひ「企業パートナー110番」までお問い合わせください。

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