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経営戦略とは?目的や流れ・立案方法を詳しく解説

自社の経営を立て直し、拡張していくためには経営戦略が必要です。個別の対応策=「経営戦術」だけでは大きな方向性が出ず、その場しのぎの対応になってしまいます。自社の方向性を示すための「経営戦略」が明確になって、初めてそれを具現化する経営戦術が決まります。今回は、自社の目指す道筋を定めるために重要な経営戦略について考えていきます。経営戦略を考えることは、広く自社について振り返る絶好の機会となります。

経営戦略とは?

導入文で述べましたが、経営戦略を理解するうえでは、戦略と戦術の違いを理解することが重要です。

「戦略」とは、経営の目的(目標)を達成するための大きなシナリオで、英語では「Strategy」といいます。企業の経営の在り方、方向性、ベクトルを示すのが経営戦略になります。

一方、「戦術」とは、戦略を達成するための具体的なアクションプラン、方策のことであり、英語では「Tactics」といいます。目的を達成するための具体的な方策が経営戦術になります。

例えば

経営目的:売上を前年度の30%にする
経営戦略:営業活動の徹底、ローラー作戦の展開
経営戦術:営業社員の飛び込み営業を1日〇〇社行う、ルート営業も頻度を30%増やす

これをみると、両者における違いは明確ですよね。経営戦略とは企業が他社との競争に勝ち、新たな市場を開拓していくための方向性を示すもので、経営戦術は戦略を実現していくための具体的なプラン、方策になります。

詳述はしませんが、経営戦略は以下の4種類に分けることができます。

  1. 1.全社戦略:企業全体、企業グループ全体に関わる戦略
  2. 2.事業戦略:事業部門・部署ごとに立てる戦略
  3. 3.機能別戦略:社内の機能(営業、販売、マーケティング、生産、人事、財政など)ごと立てる戦略
  4. 4.その他戦略:ITや知財など特定の目的やテーマを実現するために立てる戦略

全社→部署→部門→あるテーマと経営戦略の規模が違いますが、部署ごとや特定テーマについても、全社的でない場合も経営戦略になり得ることを意識してください。

無理に全社的な戦略を構築しなくても、もっと小さなユニット単位での経営戦略も大歓迎、しっかりできることから経営戦略を立てましょう。

経営戦略の目的とは

そもそもなぜ経営戦略を策定するのでしょうか?日々、戦況は変わり、経営を取り巻く環境も変化します。大きなビジョンにとらわれているとかえって失敗するのではないか?そのように疑問を持たれる人もいるかもしれません。

経営戦略の大きな目的は、まさにその不確実な経営環境に起因します。何が起こるのかわからない不確実性の中で、各企業は自社における強みや特性を正確に把握し、市場における自社のニーズや重要性を把握し、優先順位を明確にしないと対応できません。

行き当たりばったりの対応で、優先順位を見誤ると大きなダメージにつながります。経営戦略を立てることで、大きな方向性、目指す到達点が明確になり、それを達成するために、日々の不確実性の中で何をすればよいのかという、「各論」としての経営戦術をアップデートすることになります。

経営戦略が定まらないと、経営戦術がブレてしまうので、結果的に自社の経営目標を達成できず、それゆえ経営戦略を策定する大きな目的ができます。

経営戦略の作り方

経営戦略の目的や重要性についてご理解いただけたところで、具体的にどのように経営戦略を策定したらよいのか、その作り方についてまとめました。

自社の現状分析

自社が置かれている対外的な環境や状況を客観的かつ定量的に分析していきます。なんとなく「自社は厳しい」というだけではだめで、何がどのくらいダメで脅威になっているのか数値として見積もります。

後述の分析手法をもとにしっかり、自社が置かれている現在位置を見定めます。これを見誤ると、経営戦略が明後日の方向を向いてしまいます。当然、そんな経営戦略に基づいた個々の経営戦術は意味のないものになってしまいます。

自社の目指す経営目標の設定

現状分析に基づいて自社の目指す目標を決めます。漠然としたものではなくできるだけ具体性を示しましょう。単に「売上を伸ばす」ではなく「〇年までに業界シェア〇%で業界1位になる」などモチベーションが高くなるような自社の目標にします。

社会貢献などを織り交ぜてもいいでしょう。

目標実現に向けて戦略を明文化

目標を現実化するためには何をすればよいのか、経営戦略の中身である実施内容を明文化します。これにより、経営戦略は明確になり、具体的な経営戦術について考えやすくなります。

実際に明文化する際には外部の専門家なども交えて、従業員にわかりやすいような内容にしてもよいでしょう。

定量的な指標の設定

達成項目は定量的であることが望ましく、そのため、具体的な売上額に加えて、売上数量、業界内シェアや顧客満足度、アンケートの数字、ネット上の口コミサイトの★の数(信頼できるサイト)などをもとに指標を設定します。

この定量化できる指標の高低によって、経営戦術を変えていくことになります。

経営戦略の3つの段階

経営戦略と言っても、大きなスローガンだけではなく、各工程、各段階に応じて設定する内容が異なります。社会貢献をして、業界シェア40%を目指す!といっても、財務部や人事部にできることは非常に少ないからです。各ステージに応じた経営戦略として、以下の3つの段階を考えます。

企業戦略(全社戦略/corporate strategy)

いちばん大きな経営戦略として「企業戦略」または「全社戦略」(corporate strategy)があります。これは、企業の長期的な経営戦略のことで、企業の「経営ビジョン」と言い換えることもできる、その企業のスローガンです。

「経営理念」「事業の軸、経営資源配分」「グループ経営の有無やグループ経営戦略」をここで策定します。この企業戦略をもとに、後述の事業戦略や機能戦略、個々の経営戦術を定めていきます。

事業戦略(business strategy)

企業戦略の下に「事業戦略(business strategy)」を策定します。事業レベルの経営戦略であり、「事業領域とその資源配分」「商品・サービス戦略」「事業モデル」を定めます。

食品メーカーで言えば、どの新商品を売り出し、どういう販売モデル(小売りなのか通販なのか)でPRしていくかなど、一般的な企業戦略のイメージに一番近いのが、こちらの事業戦略になります。

機能戦略(機能別戦略/functional strategy)

最後が「機能戦略」になります。これは各部門、各部署の経営戦略と言い換えてもいいでしょう。企業目標を達成し、企業戦略を完遂するためには、事業を具体的に推進していくために必要不可欠となる機能レベルの経営戦略が必要となります。

研究開発部門と営業、物流、人事、財務の各機能では目指す目標やそのための戦略が当然異なります。事業戦略を踏まえ、「企業戦略-事業戦略」の整合性を取るため、機能戦略を工夫して定める必要があります。事業における機能領域ごとに目指す方向を明確にすることも含まれます。

企業戦術に近いものもありますが、各戦術もこの機能戦略が正しく定まらないと、うまく機能しませんので注意してください。

経営戦略の立案方法

作り方の流れは、先に記した通りで、まず自社の分析にしっかり時間をかけてください。自社の分析手法として代表的な方法を挙げておきます。これらは経営戦略策定の際だけではなく、補助金や助成金の申請や融資の申し込み、資金調達などにあたり審査側へのアピール材料にもなります。

分析手法

内容、方法

SWOT分析

自社のStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、脅威(Threat)の頭文字をとった分析手法です。

自社の内部環境の強み・弱み、外部環境の自社を取り巻く機会・脅威の観点から分析し、経営戦略を立てていきます。

5force分析
(ファイブフォース)

企業の事業環境を5つの競争要因(force)に分類して分析する手法です。

①新規参入の脅威

②既存企業との競争

③売り手の交渉力

④買い手の交渉力

⑤代替品や代替サービスの脅威

これら①~⑤の要素、要因がどのくらいあるのか、定量的に判断し、それをもとに経営戦略を立案していきます。

3C分析

顧客・市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の頭文字をとって名付けられている手法です。

自社が対象とする市場の規模や推移、競合する企業やリソース、結果との関係性などを分析することで、的確な経営戦略につなげていきます。

これらの分析を経営者でだけではなく、外部の専門家のアドバイスも聞くべきです。戦略コンサルタントや中小企業診断士などに相談し、客観的立場から自社の「売り」を把握してください。

そこがしっかり見極めることができれば、あとは作り方の手順に沿って経営戦略を明確にすることができます。

まとめ 企業の経営に関することのご相談は「企業パートナー110番」へ

企業戦略を正しく定めるためには、自社の現状を正しく把握することがなにより重要であり、そのためにはさまざまな要素を数値化し、定量的に分析することが大切です。

とはいえ、これを経営者だけで行うのはかなり大変であり、経営戦略の立案に携われる専門家の力を借りるのも1つの方法です。しっかりした経営戦略を定めることで、会社の方向性が決まり、経営戦術も定まります。

会社が明後日の方向を向かないように、多少コストをかけてでも、効果的な経営戦略を決めましょう。

「企業パートナー110番」には企業の経営に詳しい専門家も多数おり、会社の現状分析手法を駆使して、経営戦略、さらに経営戦術までサポートいたします。まったく数字に際しくないというかもご安心ください。「企業パートナー110番」は税理士や元銀行員が主体となって設立されたコンサルティング会社ですので、数字に強く定量的な分析はお任せください。

経営戦略を決めないといけないけどどうしてよいのかわからない、そういう方はぜひ当社「企業パートナー110番」までご相談ください。

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