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中小企業向け「経営力向上計画」知っておきたい認定のメリット・作成方法を解説!

中小企業、小規模事業者はその規模の小ささゆえに、金融機関からの融資や各種補助金、助成金などのサポートを受けにくい環境にあります。零細企業で経営が大きく伸びる状況にない中で、本当にこの会社にサポートしてよいのか、各機関も迷ってしまいます。こうした会社に、経営が改善するための積極的な取り組みを行っていると「お墨付き」を与えるのが、「経営力向上計画」です。今回はこの「経営力向上計画」を策定するメリットについて考えてみましょう。苦労して策定するだけの価値はあるのでしょうか?

経営力向上計画とは

「経営力向上計画」は、平成28年にスタートした国の制度で、中小企業(小規模事業者や個人事業主含む)の経営力を向上させるための計画を策定してもらい、その経営力向上計画を国から認定された中小企業には、経営に関するさまざまなメリットを与える制度です。

経営力向上計画制度ができた背景には、多くの中小企業や小規模事業者が、経営力計画自体を策定しておらず、「行き当たりばったり」な経営判断を行い、結果として中長期的展望や経営戦略がない中で、経営に失敗しているという現状があります。

経営力向上計画を策定する中で、自社の状況や外部環境について、客観的に理解し、課題や対応策をもとにした経営計画を作ることで、場当たり的な対応にならない、中長期的な自社の経営のあり方を考え、軸とすることができます。

経営力向上計画は、自社の人材育成、コスト管理等のマネジメントの向上や設備投資計画など、自社の経営力を向上するために実施する計画で、国が経営力向上計画を認定します。

認定後はその「お墨付き」を提示することで、税制や金融の支援等を受けることができます。

経営力向上計画は国の制度であり、多くの中小企業に策定してもらいたいので、計画申請において、「経営革新等支援機関」の無料サポートを受けることができます。

経営力向上計画に似た制度として、「経営革新計画」がありますが、経営革新計画の方が、「経営革新」という新しい取り組みが要件となっているため、間口が狭く、まずは経営力向上計画に挑戦していただくとよいでしょう。

経営力向上計画のメリット

経営力向上計画を認定されると、経営にあたり直面する課題解決に際して、さまざまなメリットを享受することができます。

メリット1 税制措置の優遇

経営力向上計画を策定し認められることで、税制上優遇されます。具体的には以下の2点でメリットがあります。

  • ・固定資産税の軽減、固定資産税が3年間半額になる
  • ・法人税等の特例措置:新規取得した設備について即時償却または一定の税額控除の選択適用が可能になる

経営力向上計画を認定されるだけで、税制上の大きなメリットが期待できます。

メリット2 金融支援

金融機関から借入をする際、経営力向上計画の認定があると、加点要素になります。具体的に日本政策金融公庫の低利融資が利用しやすくなります。

また、「経営力向上関連保証」といって、民間銀行や信用金庫の融資にあたり、認定経営力向上計画に従って経営力向上事業を行う場合、同計画に従って行う事業に必要な資金の調達のための信用保証料を優遇する制度です。

メリット3 法的支援

経営力向上計画の認定を受けることで、法的にもメリットがあります。具体的には、業法上の許認可の承継の特例、組合の発起人数に関する特例、事業譲渡、事業承継の際の免責的債務引受に関する特例措置を受けることができます

メリット4 補助金申請の際の優遇

国の補助金を申請する際、経営力向上計画を認定されていると、審査の際に「加点要素」となります。絶対的に加点されるので(経営力向上計画の中身までは深く審査しない)、補助金審査において非常に有利になります。

経営力向上計画の認定を受けるまでの流れ

経営力向上計画はどのように認定を受けるのか、その流れを簡単に紹介します。

経営力向上計画の申請書と手引きを確認

申請書をしっかり読み込み、内容を把握してください。おぼろげな理解で申請しても審査に落ちてしまいます。

自社の業種と計画の指針を確認

経営力向上計画は業種によって計画策定の指針が異なります。飲食業と小売業では求められる計画の内容が異なるのです。

まず、自社がどのような業種に該当するのか確認していただき、その業種に求められる経営力向上計画の中身を確認してください。指針を踏まえた経営力向上計画の作成が必要です。

「事業分野別指針及び基本指針|中小企業庁」
<https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/kihonhoushin.html>

経営力向上計画を作成

実際に経営力向上計画を作成します。作成に当たっては、商工会議所・商工会・中央会、地域金融機関、士業等の専門家などが「経営革新等支援機関」として経営力向上計画の作成や申請をサポートします。

商工会議所や商工会など公的機関の経営革新等支援機関の場合、無料でサポートを受けることができます。

提出書類と提出先をそろえる

経営力向上計画の申請にあたり必要な書類と提出先を確認します。

提出書類

提出書類は共通のものと経営力向上計画によって受けたいメリットに応じて2パターンを用意してください。

共通の書類
  • ・申請書原本
  • ・申請書コピー(都道府県に提出する場合)
  • ・チェックシート
  • ・返信用封筒(A4サイズが折らずに入るもの。返信先を記載し切手を貼る)
設備投資について税制措置を受ける場合の書類

加えて下記を添付します。設備投資について税制措置を受ける場合は2パターンあります。

  • ・工業会等による証明書コピー(経営強化税制A類型)
  • ・投資計画の確認申請書(経営強化税制B類型・C類型)
  • ・経済産業局の確認書(経営強化税制B類型・C類型)
事業承継等について支援措置を受ける場合の書類

事業承継等について支援措置を受ける場合は、共通書類に加え以下の書類が必要です。

  • ・事業承継等に係る契約書ないしドラフト(原案)
  • ・事業承継等に係る誓約書
  • ・被承継者が特定許認可等を受けていることを証明する書類

提出先

経営力向上計画の各種書類の提出先は「事業者が経営力を向上させたい事業分野の関係省庁」になります。共通の認定事務局のようなものはないので注意してください。

提出手段

書類を用意したら事務局へ提出します。提出方法は郵送申請と電子申請があり、いずれかの方法を選択します。

郵送申請の場合は各省庁の窓口ですが、電子申請の場合、各省庁の指示に従います。経済産業省などは「経営力向上計画申請プラットフォーム」から電子申請できます。

なお、電子申請にあたっては、補助金や助成金の申請アカウント「gBizID」の取得が必要です。経営力向上計画以外にも各種電子申請で利用することになるので、これを機にぜひ取得しておきましょう。

通常の提出先

経営力向上計画の申請書類の提出先は、自社の業種、事業分野によって異なります。建設業であれば国土交通省、製造業であれば経済産業省などが管轄となります。また、都道府県に提出するケースもあるので注意してください。

詳しい提出先については

「経営サポート「経営強化法による支援」」の「事業分野と提出先」を参考にしてください。

複数の分野の事業を行っている場合の提出先

自社の事業が複数の分野にまたがっている場合は、経営力を特に向上させたい事業分野の担当省庁に提出します。それも複数の場合は、いずれかの担当省庁に提出すればOKです。

事業承継等を含む場合の提出先

事業承継を含む経営力向上計画の場合、事業承継する側の担当に提出します。例えば、大阪の企業を東京の企業に事業承継する場合、承継する側の事業者(この場合東京)を管轄する行政機関に提出します。

経営力向上計画作成時のポイント

経営力向上計画作成時に注意したいポイントは以下になります。メリットを受けるため、確実に審査に通るように心がけましょう。

  1. ・自社が置かれている外部環境の把握
  2. ・自社の商品・サービスが対象とする顧客・市場の動向、競合の動向
  3. ・経営力向上の目標及び経営力向上による経営の向上の程度を示す指標
  4. ・必要な資金の額及びその調達方法
  5. ・経営力向上のための具体的取組

「3C分析」や場合によっては「SWOT分析」なども用いて自社の経営環境を客観的に把握していきます。

経営力向上計画を策定することで、何をしたいのか、資金はどのくらい必要なのか、具体的な数字を盛り込みながら計画を作っていきます。数字を用いて客観的に説得力を持たせられるかがポイントです。

経営力向上計画作成時に気を付けること

経営力向上計画を作成時に注意していただきたいこともあります。

必要な措置を具体的に記す

経営力向上計画を策定し、認定され、具体的事業の実施の結果、当初の目標に達しなくても、認定取り消しや返金請求などはありません。しかし、国の補助を受けることになるので、金額やサポートの内容を細かく、具体的に記すことが大切です。

漠然と「経営を改善したい」では審査に通りません。

設備投資の種類を詳しく書く

設備資金の資金調達のため、経営力向上計画を利用する場合、必要な設備について、その種類や金額について細かく記載します。設備資金が必要、と申請しながら、実際には運転資金や既存の債務返済に充てることを防ぎたいのです。

設備資金は、売上に対して金額が大きくなるので、それだけ公金を入れる時の返済不能リスクも大きくなってしまいます。メリットを享受するためには、具体性が求められます。

まとめ 資金繰りのご相談は「企業パートナー110番」へ

このように経営力向上計画は、中小企業、小規模事業者が自社の強み、弱みなどの現状と外部環境について棚卸を行い、今後の事業展開について考えるよい機会になります。

加えて、さまざまな分野でメリット、加点要素があり、融資や補助金の受給を考えている場合、とりあえず動いて経営力向上計画の認定を受けておくと、何かあった時に機敏な動きができます。

しかし、経営力向上計画の申請書の作成は難しい部分があるため無料サポートが受けられる商工会議所などの公的機関、または、サムライ業と呼ばれる専門家集団にアドバイスを受けた方がいいでしょう。

「企業パートナー110番」は経営力向上計画にも対応した税理士を中心にした専門家集団です。

貴社の強み、弱みや今置かれている環境についても、客観的に分析できますので、メリットが大きく、ぜひ一度相談してください。ていねいに対応させていただきます。申請代行サポートもしますのでご安心ください。

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