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資金繰りとは何?黒字倒産?わかりやすく解説

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企業経営をしていくうえでは、資金繰りが重要になります。資金繰りが不十分だと、黒字経営をしていてもいきなり倒産してしまうことがあり、順調だった会社が一気にストップしてしまいかねません。今回は企業経営における資金繰りの重要性についてあらためて解説していきます。

資金繰りとは?

「資金繰り」とは、会社を経営していくうえで、支出と収入のバランスを取り、入ってくるお金の中から(手持ち現金、口座にある預金)、出ていく支出(支払い)を調整することです。

入ってくるお金と出ていくお金の収支バランスを取り、

出ていくお金<入ってくるお金・現在あるお金

にすることで、資金がショートしないようにお金のやりくり可能な状態が、資金繰りに問題がないことになります。

家庭でも毎月の給料やボーナスをやりくりして、生活費や家賃を支出します。給料が足りず、家賃や光熱費が支払えないことはまずないです。家庭の資金繰りも余裕があるとイメージできます。

資金繰りとは、端的に言うと「会社における収支のバランスを保つ」と定義できます。

「収支」と「キャッシュ・フロー」の違い

収支とは収入と支出のバランスのことを言いますが、それと似た概念に「キャッシュ・フロー」というものがあります。両者は似ていますが違いもあります。

収支とキャッシュ・フローの違いについて表にまとめました。

 

収支

キャッシュ・フロー

資金の範囲

現金・預金・有価証券

現金・預金のみ

決算の範囲

個別決算

連結決算

表示

①事業活動に伴う収支

②資金調達活動に伴う収支

①営業活動によるキャッシュ・フロー

②投資活動によるキャッシュ・フロー

③財務活動によるキャッシュ・フロー

細かい違いはありますが、一番大きな違いは、収支には、現金や預金のほかに、有価証券など換金性が高く、その金額についても分かっている資産も含まれます(株の売却は株価でわかりますよね)。

しかし、キャッシュ・フローの場合は、価格変動リスクの高い株式や債券等は資金の範囲から除きます。「今ある、支払いに使える現金・預金」がキャッシュ・フローになります。現金収入から現金支出を差し引いて算出される「現金収支」と言い換えることもできます。

黒字でも倒産する

収支が黒字で「黒字経営」を行っていても倒産してしまう例があります。これは、収支は黒字でもキャッシュ・フローが枯渇したときに起きてしまう現象です。

倒産なので、企業経営としては失敗で大変なことになります。具体的な例を挙げます。

A社はB社から仕入れを行い、商品を製造しC社に販売しています。掛でB社から購入し、やはり掛でC社に販売しています。つまり、B社へは買掛金があり、C社には売掛金があります。

2021年4月1日   A社が持っている現金・預金(キャッシュ・フロー)200万円

   4月10日   A社はB社から400万円を掛で仕入れ(買掛金400万円)

           買掛金の支払日翌月15日

   4月25日   A社はC社に800万円で商品を販売

           売掛金の回収日は翌月末日

   4月30日   貸借対照表(試算表)

資産

負債

現金・預金     200万円

買掛金     400万円

売掛金       800万円

 

2021年4月末の試算表上は、この取引に関してはA社の収支は黒字で、問題がなさそうに見えます。しかし、これでは資金繰りが間に合いません。

2021年 5月15日 400万円の買掛金支払日。しかし、800万円の売掛金回収が5月31日なので、手元には現金・預金が200万円しかなく支払いができない=不渡り=倒産!

となります。

収支は黒字でも、手元に支払いに使える現金・預金=キャッシュ・フローが赤字のため、現金収支も赤字で、支払いができず、黒字倒産してしまいます。資金繰りが間に合っておらず、このような悲劇が起きてしまいます。

黒字倒産は急激に売上が上がったときに起きやすい現象です。キャッシュ・フロー上の現金・預金が枯渇して、買掛金の支払いができず、不渡りを起こしてしまうのです。

これを避けるためには、現金・預金が不足しないようにしておくこと、つまり、資金繰りに十分な余裕を持たせることが大切です。

資金繰り表の必要性と把握すべき数字

上の事例は若干極端ですが、毎月一定額の収支になることはなく、突然受注が増え、支出や買掛金が増加することや、逆に売上が大きく落ち込み、現金収入がなくなることも十分あり得ます。

資金繰りが十分であることは、経営の「遊び」に余裕を持たせることであり、柔軟に経営環境の変化や突発的な事例に対処できます。

そのため、キャッシュ・フローを中心とした資金繰り表の作成が重要になります。

資金繰り表の作成

 資金繰り表は、金融機関からの融資の際に提出が求められることもあり、是非作成いただきたい書類です。

 ネット上にも資金繰り表のテンプレートが多数掲載されていますので参考にしてください。もちろん「企業パートナー110番」などの専門家に作成を依頼することもできます。まずがここから始めましょう。

把握すべき数字

資金繰り表で把握すべき数字は

・経常収支

・返済原資

・資金(現金・預金)残高

です。経常収支は「本業で稼いだ利益」であり、これがプラス(黒字)であることが大前提です。それに加えて、返済原資(借入金の返済に充てられるお金)に余裕があるのか把握しましょう。

その返済原資は手元の資金である現金・預金が、粗利の3か月以上(可能なら6か月以上)あると、急な資金需要にも対応できます。返済原資だけではなく、急な買掛金増にも対応でき、黒字倒産のリスクを減らせます。

資金繰り改善する方法

資金繰りを改善するための方法はいくつか挙げられます。すぐにできること、長期的な課題などさまざまにありますが、着手できそうなところから実行してみましょう。

・入出金(売掛金、買掛金)のサイトを見直す

・売掛金の確実な回収

・回収が危なそうな取引先の信用調査

・決算書、キャッシュ・フロー計算書の理解、把握

・人件費の見直し

・節税への取り組み(脱税ではない)

 会計を社員任せにしていると、資金繰りに余裕があるのか、厳しいのかわかりません。コンサルタントや専門家のアドバイスを受けながら、経営者自身もある程度、決算書やキャッシュ・フローが分かるようになるのが資金繰り改善の第一歩です。

そのうえで、黒字倒産の例で理解していただいたように、売掛金と買掛金のサイトを間違えてしまうと、売上が上がっているのに資金繰りがつかず、資金がショートしてしまいます。サイト(支払い、回収までの期間)を見直せないか取引先に掛け合ってみましょう。

上の例でも売掛金回収の方が早ければ黒字倒産しなかったわけです。

売掛金回収は資金繰り改善にとって重要で、売掛金の支払いが遅れている取引先は経営に問題があるか、経営者に問題があるか、いずれにせよ経営上のリスクがあります。時には信用調査会社などに依頼して、その取引先の実態を把握してください。

人件費の見直しは社員の給与を下げろ、ではなく、役員報酬なども含めて適切かどうかを考えてください。社員だけにしわ寄せがいき、役員の身を切らないのは社員のモチベーションを大きく下げてしまいます。

最後の節税は、税理士やコンサルタントと協力してください。自分だけでやろうとすると、節税ではなく脱税になる可能性もあるため、大きなリスクになります。

まとめ 資金繰りのご相談は「企業パートナー110番」へ

 資金繰りは漠然とした概念で、収支とキャッシュ・フローの違いなども合わせて理解しなければなりません。経営者だけで把握しようとしても、なかなか難しく、資金繰りの悪化はいきなりやってくるので、なるべく早く資金繰り改善に乗り出さなければなりません。

 そういうときに役に立つのが専門家のアドバイスです。「企業パートナー110番」には、資金繰り改善やキャッシュ・フローに詳しい専門家が多数おり、みなさんの会社の現在の資金繰りについて適切に把握し、その改善策をお示しできます。

 黒字倒産など、儲かっているはずなのに会社がなくなるなど、大きなリスクを回避するためにも、一度ぜひ「企業パートナー110番」のご相談ください。適切にアドバイスいたします。

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