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経営破綻とは?経営破綻後の手続き、予防策3選を解説

会社経営をしている人が避けなければいけないのが「経営破綻」です。経営破綻というバッドエンディングを迎えることでこれまで頑張ってきた努力を無に帰すことは非常にもったいないです。経営破綻を避けるためにはどのような取り組みをすればよいのか、今回は経営破綻の内容とともに解説します。

経営破綻とは

そもそも「経営破綻」とはどのような状態を指すのでしょうか?
経営破綻とは、会社の債務の弁済、返済が滞り、会社の経営ができなくなる状態になることを指します。借りたお金を返せない、買掛金(ツケ)を支払えない、手形の決済ができず不渡りを起こしてしまう・・。
このような状態になれば、正常な企業活動ができず、クライアントはまともに自社と取引ができなくなります。
経営破綻のイメージとしてわかりやすいのが、手形の不渡りの状態が6ヵ月以内に2回発生することです。そうなると、金融機関によって取引停止の強制措置が行われ、「経営破綻」したとみなされます。

倒産、破産、廃業との違い

「経営破綻」とイメージが似ているものに、「倒産」「破産」「廃業」があります。それらと経営破綻の違いを表にまとめました。

経営破綻

債務の弁済が滞って会社の経営が続けられない状態。買掛金の支払いができない、借入金の返済ができない、手形の決済ができないなどの状態が半年で2回発生すると「事実上経営破綻」とされる。

倒産

経営破綻とほぼ同じだが、社会的インパクトや二度と立ち直れないというイメージを与えてしまうので、使用頻度は控えめ。経営破綻=倒産と考えて差し支えない。

破産

倒産手続きの1つで破産法という法律に定められているもの。裁判所に選任された破産管財人が,破産者の財産を換金処分して,それによって得た金銭を各債権者に対して弁済、配当する手続き。

廃業

会社を畳むこと。経営破綻は破産して事業を続けられなくなり会社を廃業するケース以外にも、高齢や病気、転職などによって自主的に会社の事業を終わらせることも含む。

「廃業」の理由の1つに「経営破綻」や「倒産」が含まれ、経営破綻、倒産したときの手続きとして「破産」があるというイメージです。

概念としては【破産<経営破綻、倒産】【経営破綻、倒産<廃業】となります。

経営破綻する要因

なぜ経営破綻(倒産)をしてしまうのでしょうか?経営手腕がなかったと言ってしまえばそれまでですが、いくつかの要因に分けられますので、それぞれ解説します。

不況型倒産

リーマンショックなど世界的な不況になると、株価が大きく下がり、資金調達が難しくなります。資金調達ができないと、資本が減り、返済原資がなくなり、借金や売掛金が返せなくなります。

それ以外にも不況に巻き込まれることで、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界全体の不振など、売れず、資金調達できず、回収できないという悪循環に陥り、経営破綻、倒産へと突き進んでしまいます。

人手不足倒産

サービス業など激務薄給と言われる業界は、従業員やアルバイトの確保が難しくなっています。新型コロナウィルスの影響で外国人労働者(留学生や実習生含む)も大きく減っています。

人材不足を解消するためには、時給や給料を上げなければならず、そうすると利益が減り、返済ができなくなります。それでも人員を確保できない場合、事業を遂行することができなくなり、経営破綻、倒産になってしまいます。

後継者難倒産

現在、日本の会社の経営者の平均年齢は年々上昇していて、2019年時点で62.1歳です。今はまだ自身で経営できても10年後はどうなるかわかりません。少子化や家業を継がない風潮の中で、経営者にもしものことがあったり、病気で働けなくなったりすれば、経営のかじ取りができなくなり、事業継続ができなくなります。

廃業を選びソフトランディングできればいいのですが、急な経営者の体調不良などによって、一気に飛行機が墜落してしまうイメージです。M&Aを進めるなどすれば、後継者難による経営破綻はある程度回避できます。

返済

経営の失敗によって返済ができなくなり、不渡りを起こしての倒産です。これを避けるためには、過剰な投資や借入を避け、信頼できる相手と取引をして、不良債権を抱えないという「当たり前」の経営手腕が重要になります。

経営破綻による手続きとは

経営破綻した場合、どのような手続きをすればよいのでしょうか?放置しても返済義務が免れるわけではなく、むしろさらに債務が増え、刑事罰を受ける可能性もあります。速やかに手続きをとることが大切です。

手続きには大きく分けて、法的整理と私的整理があります。

法的整理(民事再生、会社更生、破産、特別清算)

法的な原則に則り、経営破綻した会社を整理します。大きく分けて以下の4種類あり、それぞれ根拠法が異なります。

法的整理種類

根拠法

タイプ

内容

民事再生

民事再生法

再建型

裁判所が選任した監督委員が監督し、再生債務者が再生計画案を策定する。債権者の同意を得るなどして裁判所により認可された場合、再生計画に基づいて弁済等を行う。会社は消滅せず、債務が圧縮(減る)こともある。経営陣の交代は求めない。

会社更生

会社更生法

再建型

裁判所が選任した更生管財人が更生計画案を策定する。債権者の同意を得るなどして裁判所により認可された場合、更生計画に基づいて弁済等を行う。会社は消滅せず、債務が圧縮(減る)こともある。経営陣の交代が必要。

破産

破産法

清算型

裁判所が選任した破産管財人により、破産者の財産を調査・管理・換価処分する。換金した金銭を債権者に弁済または配当する裁判手続で、会社は完全に消滅、負債、債務も消滅する。

特別清算

会社法

清算型

裁判所の監督の下、特別清算人が会社の財産・債務の清算業務を行って協定案を作成する。債権者の同意を得ることができた場合に,協定に基づいて債務を弁済する方法。株式会社のみに適用できる例外的な精算手法。

会社が消滅し、すべて失う「清算型」と、経営破綻するものの、一定の条件や同意のもとで、会社の再建を目指す「再建型」に分けられます。経営破綻=倒産しても、100%会社が無くなるということではないことがわかります。

私的整理(任意整理、自主廃業)

法的整理と異なり、裁判所が関与することなく、清算や再建に向けた事後処理の方針を決定し、進めていく手法を「私的整理」と言います。私的整理には以下の2つの手法があります。

 

内容

 

私的整理の種類

 

 

任意整理

会社自らが各債権者との個別に話し合い、弁済額や弁済方法等を了承してもらって債務を整理する。裁判所が間に入らず、私的な同意を取り付けて債務を解消し、会社や事業を清算する方法。

自主廃業

経営破綻前に、まだ会社の体力がある程度あるうちに、会社の判断で廃業を選びます。自主廃業の場合、事業は終了となり、債権債務の整理が行われますが、残った財産は株主に分配(これを「清算」といいます)されます。

 

経営破綻後の会社、事業、従業員の状況

以上の経営破綻処理後、会社の存続や事業の継続はどうなるのか表にまとめました。

 

経営破綻処理

会社の存続

事業の継続

従業員

法的整理

民事再生

残る

継続する

雇用継続(一部リストラ)

会社更生

残る

継続する

雇用継続(一部リストラ)

破産

消滅

終了

解雇

特別清算

消滅

終了

解雇

任意整理

任意整理

ケースバイケース

ケースバイケース

ケースバイケース

自主廃業

消滅

終了

解雇

 

経営破綻の予防策3選

経営破綻を防ぐのが会社の経営者の責務でもあります。経営破綻の予防策として、できることは何なのでしょうか?

無理な節税をしない

会社として節税(≠脱税!)をするのは大いに結構ですが、節税の方法として無駄な経費を使ってしまうと、経営破綻に近づいてしまいます。

節税対策で作った無駄な箱モノが経営を圧迫するというのは、枚挙にいとまがないです。多少税金がかかっても、いざという時のために内部留保として資本をためておくといざという時のリスクヘッジになります。

無駄な支出は却って経営を悪化させるリスクがあるのです。

連鎖倒産を回避する

大口の取引先が倒産すると、自社に売掛金が入ってこなくなり、借入が返せなくなり、資金繰りが悪化して倒産してしまう、このような連鎖倒産を避けなければなりません。

取引先の経営状況に気を配り、悪い兆候を見逃さないようにしましょう。また、「中小企業倒産防止共済」(経営セーフティー共済)などに加入し、取引先が倒産した場合、資金がショートしないようなリスクヘッジをすることも大切です。

借入には慎重な姿勢を持つ

不要な借入をしないのも当然倒産予防のためには重要です。毎月の借入金を返済できない時点で、会社の信用情報に「×」が付きます。返済元金だけではなく利息もばかになりません。

攻めの経営をするため借入をして積極的に事業展開をするのはいいのですが、突発的な災害や不況でどうにもならなくなることもあります。そうした場合、多額の返済だけが残ってしまうリスクもあります。

借入をしないのではなく、本当に必要な借入なのか今一度精査してください。

まとめ 企業の経営に関することのご相談は「企業パートナー110番」へ

経営破綻をしないというのは会社の経営者として当然のことであり、義務ともいえます。しかし、有名な会社でも経営破綻、倒産することがあります。新型コロナウィルス、リーマンショック級の不況、大地震、台風、狂牛病などどうにも避けようもないネガティブな要素が、堅実経営をしていても対峙する場面があります。

経営破綻をしないように取り組むとともに、いざという時に少しでもこれまでの自分が行ってきた「証し」を世に残せるような処理も知っておきましょう。

「企業パートナー110番」では、経営破綻処理についてのアドバイスももちろんのこと、そうならないような徹底的なサポートをいたします。借入過多にならない資金調達は得意分野です。

ぜひともご相談ください。

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