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追加融資を受けるには!理解しておくべきポイント

Additional loan

融資を受けていて、当初の事業目標を達成するためには追加融資を受けないと難しいことがあります。

しかし、追加融資にはメリット、デメリットがあり必要最小限にすることが求められます。今回は追加融資を受ける際のポイントについて解説します。

そもそも追加融資とは

追加融資とは、事業者がある目的のための融資を受けている際、その目的達成のための資金が足りなくなり、2回目以降の融資を受けることをいいます。返済が終わっている場合の2回目融資、返済途中で資金が足りなくなりさらに追加で資金を調達するどちらも追加融資とされます。

残額150万円の融資に+200万円追加して、新規の融資として350万円借りることにする「借り換え」(残額150万円の融資は350万円の融資で返済したことにする)も広義の追加融資となります。

返済後の追加融資であれば、新規融資として、申請時の決算書や財務状態によって判断され、マイナス評価にはなりません。

しかし、返済途中の追加融資は、経営の悪化や資金繰りに困っている、運転資金や生活資金に困っているのでは?と金融機関側から思われてマイナス評価になることがあります。十分説明できるだけの根拠を用意することが大切です。

以下で、金融機関ごとの追加融資について説明します。政府系金融機関と銀行では条件が異なることに注意してください。

日本政策金融公庫から追加融資を受けるには(条件やメリット、デメリット等)

まずご紹介するのが「日本政策金融公庫」の追加融資です。日本政策金融公庫は政府系金融機関であり、その運営には税金が投入されています。ある意味「福祉政策」的な要素もあり、民間金融機関では融資できないような経営状況の会社についても、可能な限り良いところを評価し融資します。

追加融資についても同様で、民間金融機関に比べて条件は緩いと思ってください。それでは、追加融資の条件やメリット・デメリットについて表にまとめてみました。

条件

・1回目の融資金額の30%を最低でも返済している

・税金を完納している(法人税、所得税、住民税、事業税、納付義務がないものは納付しないでOK)

メリット

・金利が低い

・過去に滞納歴があっても追加融資ができる場合がある

デメリット

・綿密な返済計画の立案が必要

政府系金融機関ですから、可能な限り利用者にとって有利な方向で動きます。過去に滞納歴があっても、その融資を完済していれば、経営状況によっては追加融資が可能になることがあります。

ただし、税金を投入して運営しているので、期限が到来している税金を納付していない事業者はその段階でシャットアウトです。国民の義務である納税をしていることが絶対条件になります。

銀行から追加融資を受けるには(条件やメリット、デメリット等)

政府系金融機関ではなく、一般の銀行や信用金庫から追加融資を受ける場合の条件やメリット、デメリットや以下の通りです。

条件

・直近の収支状況を詳しく説明する

・業績が改善傾向にある

・事業計画書や資金繰り表をしっかり作っている

・銀行融資枠の範囲内である

メリット

・しっかり返済していれば銀行の「信用」が上がる、実績になる

デメリット

・虚偽の書類を提出すればブラックリスト入り

・日本政策金融公庫の基準よりも高い

 

すでに民間金融機関(銀行や信用金庫)から借入がある場合、追加融資をその金融機関に求めることができます。ただし、審査基準は公庫のそれと比較すると厳しめです。

追加融資を受けてしっかり返済すれば「実績」となり、金融機関にとっては「お得意様」としてみなされるかもしれません。しかし、追加融資を受けて返済事故になった場合、ブラックリスト入りします。実績になるからといって必要ない追加融資はやめましょう。

信用保証付きの融資を受けるには(条件やメリット、デメリット等)

信用保証協会に保証料を支払うことで、取引先の金融機関から追加融資を受けられることがあります。注意していただきたいのは、保証協会の保証は担保や保証人のようなもので、実際にお金を融資するのは金融機関であるということです。

条件

・経営計画書の作成

・「利用枠」の範囲内

・信用保証料の支払い

メリット

・金融機関の審査基準を下げることができる

・担保や保証人の代わりになる

デメリット

・保証料(1%~2%)が上乗せされる

・「利用枠」が決まっている

通常の融資でも担保や保証人があれば融資が出やすくなりますが、保証協会の保証も同様で、追加融資の難易度を下げることができます。しかし、保証料を1.数%払うことになりますので、その分利息が高くなるようなものだとイメージしてください。

また、信用保証協会の融資には「利用枠」がありそれを超える金額の融資は難しいです。一般的に利用枠は(直近決算の経常利益額 + 減価償却費)× 返済年数といわれています。

こんな場合、追加融資は受けられる?

経営が安定していれば追加融資を受けるハードルが下がりますが、そうした「攻めの経営」に必要な資金調達ばかりではありません。資金が足りず、このままでは事業が成り立たない、そうした逆境を乗り越えるための追加融資を必要とするケースもあります。

以下のケースの場合、追加融資は受けられるのか解説します。

赤字の場合

赤字の場合、融資の条件が厳しくなるのは事実ですが、イコール追加融資不可能ということにはなりません。追加融資によって経営が改善し、利益が出る見込みがあれば(審査は厳しいですが)追加融資されることがありますので諦めないでください。

赤字でも追加融資ができる条件として

    • 既存の融資の返済が2分の1以上(日本政策金融公庫の場合3分の1以上)行われていて遅延がないこと
    • 生活のためにお金を借りるわけではないこと
    • 決算書や資金繰り表が改善傾向にあること

などが挙げられます。まだ赤字だけど改善していてもう一押しを追加融資でお願いしたい、というケースでしっかり返済しています、と確認できれば赤字でも追加融資の可能性が上がります。

運転資金を借りる場合

自転車操業で事業が回らなくなってからの運転資金の追加融資は審査で落ちてしまいます。運転資金を借りる場合は

  • 経常利益が黒字である
  • 売上が上昇基調にあること

を決算書や試算表で確認できることが必要です。さらに売上を伸ばすための運転資金が必要だから追加融資してください、という流れになります。

設備資金を借りる場合

設備資金の場合、何を購入するのか、購入したいものの「カタログ」「見積書」を必ず提出します。そして、融資によって設備を購入し、それにより売上が伸びることの見通しを示せれば追加融資の審査に通りやすくなります。

漠然と日々の支払いのための運転資金と異なり、「具体的にこれを買います。このための資金です」と示しやすい設備資金の方が審査の難易度的にはやや低いといえます。

リスケ中の場合等

リスケ(リスケジュール=返済予定変更)をしている場合の追加融資はどうでしょうか?

リスケには大きく3パターンあります。

【元本10万円返済+利息2万円返済の場合】

①元本15万円+利息 に変更。前倒し返済で返済額を増額
②元本5万円+利息 に変更 返済が厳しく返済回数を増やして元本の返済額を減らす
③元本返済猶予+利息返済のみ に変更

①のケースは業績が良く返済余力があるわけですので、追加融資が認められる可能性がかなりあります。一方③の場合はほぼ不可能です。返済ができない会社にお金を貸すことは無理ですよね。

問題は②のケースですが「原則不可能。ただし例外あり」になります。大きな経済的ネガティブ要素(リーマンショック等)や新型コロナウィルスの拡大等、世界的な経済環境の悪化の中では、審査が緩くなります。倒産して返済自体ができなくなるより、多少追加融資して持ちこたえてもらうようにサポートする流れになります。

もちろん、これまでの返済を遅延なく行い、事業計画や資金目的がしっかりしていることが最低条件です。

リスケして元本の返済が減っている場合の追加融資は、要相談・条件厳しいという結論になります。

まとめ

以上、追加融資について説明させていただきました。業績が悪化しておらず、事業の安定、経営改善に必要であれば、金融機関も追加融資に応じます。しかし、それまでに返済の遅延があるなど誠実な態度をとっていなければそれは叶いません。

また、経営が悪化している場合の追加融資も相当審査が厳しくなります。そうならないように、当初の融資でしっかりと経営を安定させ、収益を上げる構造を構築することが大切です。

そうすれば追加融資は「攻めの借入」として金融機関からも評価され、むしろ「実績」になるはずです。

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