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融資の金利を下げるには?金融機関との交渉の仕方

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融資を受ける際、最も重要な事項は金利です。金利の支払いに追われて元本を返せないような事態は避けなければなりません。そのため、なるべく金利を下げた融資を受けられるよう金融機関とうまく交渉する必要があります。

融資の金利は、どうやって決まるのか?

融資の際の金利は様々な要素によって決定されます。1つの要素ではなく、借りる際の情勢を見極めることが大切です。下記の複数の要素を勘案して金融機関と借主の合意の下、融資金利が決まります。

基準割引率および基準貸付利率(政策金利・公定歩合)

日本銀行(日銀)が行う金融政策のための金利です。不況の場合、市場にお金が流れやすくするため、金利が下がります。これに応じて各金融機関の金利も上下します。不況が長く続く日本の場合「マイナス金利」政策が採られています。

銀行にお金を預けても、金利はほとんどつかず、逆に借りるときの金利は大きく下がっています。現在、一般的に融資金利を下げるような政策金利が設定されています。

担保・保証人の有無

担保があればいざというときに、それを換金して弁済できるので、金融機関にとってはリスクヘッジになります。保証人付きの場合は、保証人に返済を求めることが法的に可能です。

逆に無担保や無保証人の融資は、返済不能になったときのリスクヘッジができないので、金利は高くなります。

融資借入期間

借入期間が長いほうが金利は高くなります。短期で借りて早めに全額返済する契約のほうが支払い金利を抑えることができます。

長く貸して、リボ払いのように金利を稼いだ方が金融機関は得なのでは?と思うかもしれませんが、不確実性のリスクのほうが金融機関は重要視します。長期に貸して、災害や倒産リスクを抱えたほうがマイナスと考えるからです。
ただし、例外的に短期借入のほうが高金利になることもあるようですので、ご注意ください。

資金使途

資金使途も金利に影響します。営業用の自動車を買う、設備機械を買うなど目的が明確な設備資金の場合、金利は低めになります。一方、運転資金やフリーローンのようなものは、本当に事業用資金として使われるかどうかわからないため、金利が高めになります。

運転資金として融資してもらったのに、遊興費やプライぺート資金に充てる人が少なくなく、当然、そういう使い道をしている人は、返済が滞ったり不能になったりする可能性も高く、リスクヘッジのため金利が高くなってしまいます。

「融資の資金使途が明確かどうか」が金利に影響します。

信用度

「信用情報ブラック」になった人はもちろん融資は不可能ですが、それ以外にも消費者金融やカードローンの借入がある人は、資金繰りに困っている人という評価になり、たとえ融資が通ったとしても、金利が高く設定される可能性があります。

それ以外にも、社会的信用の有無は、ネットの発達で調べやすくなりました。信用情報ブラックが消えていても、地元での評判が悪い、過去に事件を起こしている等がわかれば、その人に融資をするリスクが発生するため金利が高くなります。

逆に篤志家やボランティアなどで社会的に信用度がある人は、それだけで金利が下がるということはありませんが、審査全般として有利になります。

信用できない人には貸せないという当たり前のことではありますが、隠していても信用のあるなしは意外とわかってしまうものです。

融資の金利の相場について

融資の金利相場は各金融機関によって異なりますし、用途(運転、設備、フリーローン)によっても変わります。ただし傾向として以下のようになっています。お近くの金融機関に相談してみるのもありです。

金融機関の種類

金利相場

政府系金融機関(日本政策金融公庫)

0.5%~1.5%

銀行、信用金庫

2%~5%

消費者金融

5%~18%(利息制限法上限)

金利から見ると、まず政府系金融機関へ行き、それでも厳しい場合に民間金融機関へ行くといいでしょう。政府系金融機関は利益を上げることを目的としていないので、実質金利などにこだわることも少ないです。※実質金利については次項で解説します。

実質金利とは?

「実質金利」という考え方をここでは紹介します。実質金利とは、融資の際に示される通常の金利(表面金利)とは異なり、実質的に金融機関が得られる金利になります。

実質金利は銀行が得をし、借入人が損をする?

ある金融機関に預金(通常預金&定期預金)がある場合、「その金融機関にお金を貸している」状態になります。その金融機関から新たに融資を受ける場合、本来自己資金(預金)があるのに金利を払ってお金を借りることになります。

200万円必要な人が、金融機関に100万円の預金があるにもかかわらず、200万円借りれば、100万円分の不必要な借入をすることになります(200万円-100万円=100万円は本来自己資金、預金で調達できるはずです)。
つまり、200万円を借りても、100万円は預金があるので、実質100万円を借りることと同じだと解釈でき、実質100万円に対する金利がどのくらいになるかと計算されるのが実質金利なのです。

実質金利は

借入金金利(表面金利)-預金金利}÷(借入金-預金)×100=実質金利

と計算します。

実質金利を計算してみた

表面金利と実質金利がどのくらい違うのか計算してみましょう。

 

A銀行から借入

・預金口座に300万円ある

・600万円の融資を受ける

・表面金利2% 支払利息は600万円×2%=12万円

・預金金利はマイナス金利政策でほぼ0%なので無視 0万円

 

実質金利

(12-0)÷(600-300)×100=4%

600万円を借りる際に支払う利息は12万円ですが、預金が300万円あるので、実質300万円を借りると解釈できます。300万円を借りる際に12万円の利息を支払う場合、金利がどのくらいになるのかを計算すると4%(=実質金利)になります。

当初金利の支払いは2%だと思われていましたが、実質的に銀行は4%の金利を得ることになります。なんだか損をしてしまいました。これなら、当該金融機関の口座にある300万円の自己資金を使って、300万円だけ借りたほうが金利が安くなります。

(借入金-預金)の預金の部分が大きいほど実質金利は大きくなります。金融機関が「口座を作りましょう」「定期を積み立てましょう」と営業してくるのは、実質金利を増やしたいからなんです。

多額の出資をしてもらっている人(預金者)ほど、借入の際は多額の金利を支払うという皮肉な構図になっています。

実質金利を下げるためには、借りたい金融機関への預金を解約するなど交渉をすべきだということがわかります。

金利を下げる交渉の仕方

単に「金利を下げてください」というだけでは交渉になりません。交渉材料としては2つあり、金融機関の利益を一時的に上げるよう「実質金利」を上げる方法を取るか、すでに預金が当該金融機関にある場合「定期を解約します」などと迫り、「実質金利が減ってもいいの?」と強めに訴えるかいずれかです。

預金口座がない、預金が少ない場合は実質金利を上げるように動く

その金融機関に口座がない場合や、口座はあっても預金が少ない場合、「定期預金口座を作ります」などと言って、実質金利を上げて銀行の利益を増やすように交渉しましょう。
借入自体通りやすくなりますし、「口座を作って定期を組んでくれるなら金利を下げます」という方向になるかもしれません。

すでに預金口座に多額の預金がある場合はむしろ預金を引き上げるような意思表示を

逆にすでに融資を受けたい金融機関と長年の付き合いがあり、預金残高もある場合、実質金利を「人質」にとり、それを下げたくないなら表面金利を下げてとお願いする方法があります。

後述のように、実質金利は預金残高があればあるほど高くなります。つまり、預金を減らす、定期を解約する、他行へ移すなど、預金の引き下げを迫れば、向こうは実質金利を下げたくないので、表面金利を下げざるを得なくなります。

ただ、この塩梅が難しく、決定的に高圧的な態度に出て対立してしまえば、「じゃあもういいです」とこれまでのお付き合い関係が破談になってしまいます。
ここは交渉なので押したり引いたりして、あまり金融機関を追い込まないようにしてください。

まとめ 資金調達についてのご相談は「企業パートナー110番」へ

以上、融資の際の金利を下げる方法やその仕組みについて考えました。金融機関と仲良くすることは重要ですが、仲良くしすぎて「口座開設のお付き合い」をすることで、実質金利が高くなってしまうかもしれません。

ドライでもウェットでもない適切な距離感で金融機関に接し、信用される借り方を身に着ける必要がありそうです。

そのあたりは専門的な知識が必要になりますので、「企業パートナー110番」へご相談ください。専門家の視点でアドバイスさせていただきます。

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