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経営計画の作り方!作る目的から実行のポイントまで

Business plan

会社の事業を運営していくためには「経営計画」の策定が不可欠です。ご自分の長年の経験や経営者としての勘も大切ですが、経営計画を作成することでより具体的な経営の指針、経営の安定、攻めの経営に寄与できます

経営計画とは何か?なんのために作るのか?

経営計画とは、ある企業が将来に向けて達成すべき目的、目標を見据えた指針になります。長期的で全社的な「戦略」と言い換えてもよいでしょう。
具体的な数値目標を入れながら、短期的、中期的、長期的な経営の「あるべき姿」を具現化させるための総合的俯瞰的な経営の指針になります。

経営計画の種類

「経営計画」と一言で表現しても、実は大きく分けて3つの経営計画があり、それぞれを使い分けることが大切です。
・長期経営計画

会社の長期的な経営ビジョンです。10年後、20年後にどのような経営を行いたいのか、まさに長期的戦略の要となるものです。
・中期経営計画

今後数年、自社が「何をすべきなのか」を数字等も入れて練る中期的戦略です。前年の経営実績などをもとに、今の経営実績を考慮した具体的な経営戦略で、毎年作成することができると理想的です。
・ 短期経営計画

今行うべきアクションプランの基礎となるもので、数値計画や具体的な取り組みも含めた詳細な計画になります。長期経営計画や中期経営計画と異なるのは、短期経営計画は一度作成したら変更してはいけないということです。
短期的な経営の指針がコロコロ変わっては、経営がブレてしまい、戦略が無意味になってしまうからです。

経営計画を作る理由

経営計画を策定することで、「今すべきこと」が明らかになります。短期的にすべきことと長期的にすべきことを取り違えてしまえば、せっかくいい社是や目標を持っていてもそれが達成できません。
霧の中、方向性が見えないなかで改革してもそれは明後日の方向へ向かってしまいます。方向性を定め、すべきことと必要でないことを峻別するため、その判断材料としても経営計画の作成が重要になります。

経営計画の作り方

経営計画の作成方法にはいくつかの段階があります。順序立てて自社の経営の現状と今後を分析していくことが大切です。大きな流れはこのようになります。

  1. 経営理念の明確化
  2. 自社の現状把握、強みと弱みの分析
  3. 外部環境の把握、分析
  4. 戦略の立案
  5. 数値目標等の作成、事業計画への落とし込み

以下で、個別に解説していきます。

経営理念の明確化

自社の経営理念を明確にしないと、どのように経営を展開すべきか定まりません。経営理念は主にこの3つに分けられます。これらを明確にしておきましょう。

・ミッション:使命。自社の経営目的です。存在意義と言い換えてもいいでしょう。社会的にどのようなことをするためにこの仕事をしているのか明確にします。
・ビジョン:目指したい目標です。「○年で売上〇〇〇億円」「業界シェアを5年で30%」「海外展開し、支社を倍にする」など具体的な数値目標があるといいでしょう。
・バリュー:企業の価値観や社員の行動規範です。大型テーマパークのキャストの振る舞いや、大手ファストフード店の店員さんの「スマイル」など、企業理念を体現し、お客様に見せられる価値観とそれを実現する行動になります。

自社の現状把握、強みと弱みの分析

自社の強みと弱みを決算書や人員構成、人員配置、業界でのシェア、売れ筋商品などから把握していきます。
強みをさらに伸ばしていくべきなのか、弱みを克服し弱点をなくしたほうがいいのか、「スペシャリスト」でいくのか「ゼネラリスト」でいくのか、ここで考えます。
なお、本項(強み弱み)と次項(外部環境)については「SWOT分析」(※)を活用することをおすすめします。簡単にできる分析手法ですので覚えておいて損はないです。
(※)SWOT分析
「SWOT分析と3C – ものつくり大学」
http://www.iot.ac.jp/building/hasegawa/pdf/2018/education2018_1.pdf

外部環境の把握、分析

自社を取り巻く外部環境を整理します。競合他社が多いのか、業界の今後、顧客の増え方、潜在的顧客の認識、店舗立地がここでいいのか、商圏の把握などを分析していきます。
ライバルが少ないところでニッチな需要獲得を目指すのか、ライバルがいても顧客が多い場所で勝ち抜くのかなど、この分析で戦略が決まります。

戦略の立案

工程2と3から、強みを伸ばすのか、弱みを克服するのか、ライバルがない市場にいくのか、ビジネスチャンスがある市場を開拓するのか、総合的に経営戦略を立案します。
どの事業に注力し、どの場所に事業展開するのか、自社の経営軸をはっきりさせます。こうすることで、まったく畑違いの市場へ資金を投入して失敗することはなくなります。
例えば、持ち帰りドーナッツの市場はM社独占で、すでに飽和してこれ以上伸びないといわれています。畑違いの会社が、「持ち帰りスイーツが伸びそうだ」といって参入しても撤退を余儀なくされます。コンビニチェーンですら、この独占市場から撤退してしまったわけです。

数値目標等の作成、事業計画への落とし込み

最後は、経営計画を個別具体策である事業計画に落とし込めるように、数値目標と行動計画、行動の指針を定めます。

事業計画との違い

経営計画と似ている言葉に「事業計画」というものがありますこの両者は似ている部分もありますが違いもあります。両者の異同について、ここでは解説します。

事業計画とは?

「経営計画」が、全社的、総合的、俯瞰的、戦略的視点をもつものに対して、「事業計画」は経営計画を達成するための具体的な行動指針、つまり戦術になります。そのため、部門、部署的な視点に立ち、短期的に行うべき課題となります。
「前年比20%売り上げ増」が事業計画であるとすれば、「その達成のために営業訪問件数50%増」「電話営業30%増」などの具体的な行動に落とし込んだものが事業計画となります。

経営計画と事業計画の違い(表)

経営計画
事業計画

戦略的
戦術的

全社的
部門的、部署的

総合的
個別的

俯瞰的
主観的

短期、中期、長期
短期のみ

ビジョンを示してそのためのロードマップ
数字や具体策を多用

経営のプラン
個別事業のプラン

経営計画を確実に実行するためには

経営計画を確実に実行し成果を出すためにできることは何でしょうか?ありがちなのは、経営計画を作成しただけで満足してしまい、それで終わってしまうことです。
当然、その経営計画が正しく実行され、満足いく結果を生み出し、それを正しく評価し、不十分な場合には改善できる仕組みが必要です。つまり、フィードバックまで適切に実行されないと、経営計画の正しい確実な実行となりません。
確実な実行のためには「PDCAサイクル」を意識してください。

  • Plan(計画)
  • Do(実行)
  • Check(評価)
  • Action(改善)

です。PDCAサイクルについては専門書も多くあり、様々な行動の基礎になります。Planについては作成されているわけですから、あとは「DCA」をしっかり行い、次の経営計画や事業計画へフィードバックさせていくことが大切です。
少々大変かもしれませんが、経営計画の確実な実行にはPDCAサイクルの完遂を目指してください。

まとめ 経営計画についてのご相談は「企業パートナー110番」へ

以上、経営計画の作り方を中心に解説いたしました。経営計画が正しく作成されないと、経営の方向性が定まらず、せっかくいい経営資源を持っていても有効活用できず、競合他社との競争の中で疲弊してしまいます。
また、長期、中期、短期の経営計画がないと、戦術はあるのに戦略がなく経営がブレてしまうことにつながりかねません。
すごく早く走れる車を持っていても、砂浜では専用のタイヤ付けたトラックのほうが早いかもしれません。戦略と戦術を取り違えるとこういうことが起きかねませんので、今一度自社の経営計画を見直してください。
自分一人では不安だ、よくわからないという方は「企業パートナー110番」までぜひご連絡ください。
貴社の立場になりアドバイスさせていただきます。

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