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中小企業の決算対策!直前対策や黒字化対策も!

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決算間近になると、多くの人がさまざまな決算対策をおこなっていきます。
そんな中でも、
「決算に向けてできることはしておきたい」
「決算直前でも黒字化する方法はないだろうか」
と考える人は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、
・決算対策が必要な理由とは?
・決算に向けてすべき節税対策はなに?
・赤字を改善する対策はある?
これらの疑問について徹底解説します。
決算間近だからといってあきらめるのではなく、おこなうことができる対策をしっかりと検討していきましょう。

なぜ決算対策は必要なのか?

中小企業にとって決算対策はとても重要です。決算対策を適切におこなうことによって納税額を減らすことができます。決算では1事業年度の利益を確定させ、利益に対する税金を計算していきますが、税金の中には本来支払う必要がないものが含まれており、その部分を節税対策によって減らしていくことが重要です。税金によって会社の資金が減り、経営が苦しくなっては手遅れです。会社の資金を無駄に減らさないためにも節税対策は大切な作業なのです。

決算3か月前にするべき予測

決算日ぎりぎりから決算対策を始めると、十分な時間を確保できず、万全な節税対策を行うことができません。また節税対策の中には、ある程度の時間が必要なものもあります。つまり決算前にできる対策の選択肢を増やすためにも決算の3か月前から検討し始めることが大切なのです。

決算3か月前であれば大まかな利益などは予測することができます。そのため、決算3か月前の時点で最初におこなうべきことは「利益と納税額の予測」です。利益の予測を立てるには今後の事業計画やこれまでの月別決算データなどを参考に決算までの売り上げを試算していく必要があります。

次に重要なことが、「利益予測から納税額を予測する」ということです。納税額は利益予測額に税率をかけることで算出できます。これらの予測はなるべく固定費や変動費などのカテゴリー別に算出することが望ましく、そうすることで、
・どのカテゴリーの支出が多いのか
・どのカテゴリーの支出が少ないのか
ということが一目瞭然となり、決算対策もおこないやすくなります。
会社のキャッシュフローを明確に、かつ、分かりやすくするためにも、なるべく細かいカテゴリーで予測を立てることをおすすめします。利益予測と税率予測を立てることができたら、決算に向けて節税対策を始めましょう。

決算直前でもできる対策

利益予測や納税予測をたてることができれば、その予測にもとづいた適切な決算対策を行うことができます。ここからは具体的な節税対策について紹介します。

いらないものを処分する

長年使われておらず放置している椅子や机などの固定資産があれば処分を検討しましょう。固定資産を処分すると「除却損」として費用計上し、利益を圧縮することができます。利益が圧縮されれば、その分納税額を減らすことができます。

また、いらないものを廃棄することで保管スペースが広くなるメリットもあります。除去損として計上する場合はその処分する固定資産を永久に使用してはいけないという条件があります。固定資産を処分する場合には「本当に必要ないのか?」ということをよく検討して廃棄するようにしましょう。

従業員に対する決算賞与を支給する

従業員に対して決算賞与を支給すると、その分の支出は経費とすることができます。決算賞与を支給することは決算対策になるだけではなく、従業員のモチベーションアップにもつながるため、一石二鳥の対策であるともいえます。この決算賞与を経費として算出するには次のことをおこなう必要があります。
・事業年度が終了する日までに全ての従業員に決算賞与の額を知らせること
・事業年度が終了した日から1か月以内に決算賞与を支給し終えること。
この2つの条件を満たすことで決算賞与は経費として扱うことができます。ここで注意したいのが経費として計上できるのは従業員の決算賞与だけであり、役員に対する決算賞与ではありません。役員に対する賞与は取り扱いが異なりますので気をつけるようにしましょう。

在庫を減らす

在庫をできるだけ減らすことで利益が少なくなり、結果として納税額を減らすことができます。売れずに残っている商品を処分することは、スペースの確保やコスト削減の面でも大切な作業です。

一般に利益は次の式で算出されます。

利益 = 売上額 売上原価―経費

さらに売上原価は次のようにして求めます。

売上原価 = 期首商品棚卸高 + 当期商品仕入高 - 期末商品棚卸高

期末商品棚卸高、つまり在庫を減らすことで売上原価が大きくなり、利益を減らすことができます。

在庫を減らす方法としては
1. 決算前セールを行う
2. 業者に格安で引き取ってもらう
3. 廃棄する
これらの方法が挙げられます。
在庫処分などをおこなう際には注意が必要なこともあります。それは、不要在庫を業者に引き取ってもらう場合や廃棄する場合は写真を撮っておくなどの証拠を残すことです。税務署から疑いの目で見られないためにも証拠関係はしっかりと残すようにしましょう。

工事を前倒しする

来年度に計画している修繕工事や設備投資があれば今年度中におこなうことを検討しましょう。これらの工事にかかる費用は経費にすることができるため、結果として利益を減らすことができます。しかし経費を増やしたいからといって、むやみやたらに工事を行うのは無駄な行為です。金額や状況によっては減価償却資産として耐用年数に応じて費用計上する必要がある場合もあります。そのため、少しでも多くの費用を計上したいのであれば、なるべく早めにおこなうようにしましょう。

赤字を回避する黒字化対策

赤字決算になると銀行の融資の面で不利になってしまいます。赤字が何年も続いてしまうと融資を受けることができず、会社の存続すら怪しい状況に陥ってしまいます。来期で赤字を回避できれば良いのですが、将来のことは誰にも分かりません。決算までにしっかりと黒字化対策をおこない、赤字を回避しましょう。

前払い費用の確認

「すでに支払ったけれど今期は使用しなかったもの」
「すでに支払ったけれど今期はサービスを受けなかったもの」
これらはすべて前払費用として資産計上することができます。

例えば3月決算の法人が12月に翌1年間分の保険料を払った場合、今期は12月から翌3月まで、合計3か月分が費用に計上することができ、残りの9か月分に関しては前払費用として資産に計上します。

しかし、法人では、
・1年以内に使用する費用
・1年以内にサービスを受ける費用
などの費用に関しては「短期前払費用の特例」があるため、残りの9か月分に関しても今期にて費用計上することができます。
そのため、今期において、
・赤字になりそう → 前払費用として資産計上することで赤字対策とする
・黒字になりそう → 短期前払費用の特例を適用することで黒字対策とする
というように状況に応じて使い分けることができます。

短期前払費用に該当する可能性があるのは、
・保険料
・家賃
など毎月支払う費用が対象となります。会社の支出を整理し、前払い費用にできるものはないかどうかを検討してみましょう。

未使用の消耗品の確認

今期に購入した消耗品が未使用である場合は在庫として資産に計上します。消耗品にはペンやコピー用紙などの事務用品や、切手などが挙げられます。まだ使っていない消耗品があれば個数を確認して資産としましょう。

保険などの整理

会社が加入している保険などを見直して、必要のないものは解約しましょう。保険など長期間加入しているものは定期的に確認することで、会社にとって本当に必要かどうかを見極めることができます。今後も無駄に払うことのないようにせっかくのチャンスだと考えて一度見直してみましょう。

ここで紹介した黒字化対策はあくまでも決算直前におすすめしている方法です。毎年赤字が続くと銀行からの融資、投資家からの出資など多くの場面で不利になる可能性があります。赤字経営から脱却するために会社のキャッシュフローや経営体制を根本から見直してみましょう。

まとめ

決算直前は普段の業務に加えて、資料の用意や決算の確認などで慌ただしくなります。節税対策をしっかりと行うためにも決算対策は早めにおこなうようにしましょう。目安としては、3か月前から始めるようにするとよいでしょう。
また、納税や節税に関する法律はたくさんあり、知らないと損することも非常に多くあります。税金を無駄に払わないためにも決算対策は専門知識を持っている人に相談することをおすすします。

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