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自己資本比率を知って、健全な経営を目指す

自己資本比率>金融機関から借入をする際などに「自己資本比率は高いですか?」などと聞かれることがあります。自己資本比率という単語、聞いたことがある人は多いかもしれませんが、実際にどのようなものなのかよくわからない、という方もいらっしゃるかもしれません。今回は自己資本比率にまつわる様々な事柄について説明していきます。ぜひ自己資本比率について理解を深めてください。

自己資本比率とは?

自己資本比率は、負債および純資産の合計額(総資本)のうち、純資産(自己資本)の割合のことを指します。会社の貸借対照表から読み取れる、その会社の「安全性」を見るための指標になります。

自己資本=純資産とは「返済不要の資産」のことを指します。具体的には株主出資(資本金及び資本剰余金)と利益剰余金の合計になります。

貸借対照表を見ていただくと、金融機関からの借入(借入金等)も資産計上されていますが、これは返済義務がある「他人資本」になります。

他人資本は、自己資本とは明確に区別され、返済義務があります。借入金のほか、社債、買掛金、支払手形などが該当します。

他人資本は「負債」であり、そのままにしておくことはできず、必ず返済しなければならないものです。自己資本とは明確に区別されるのでその点は必ず意識してください。

自己資本比率は金融機関からの融資の際などの基準となる重要な指標であり、この自己資本比率によっては融資判断が下りないケースも考えられます。借入金(返済義務)があまりに多ければ、いくら総資本額が多くても返済できる原資がないからです。

したがって、自己資本比率は経営をしていくうえで重要な指標になります。

自己資本比率の計算の仕方

自己資本比率は以下の式で計算することができます。

自己資本比率=自己資本(返済不要資産)÷総資本(自己資本+他資本)×100 (%)

事例で考えてみましょう。

※自己資本が300万円、他人資本(A銀行からの借入200万円、B信用金庫からの借入300万円)の会社の場合

自己資本比率=自己資本(返済不要資産)÷総資本(自己資本+他資本)
=300÷(300+200+300)=300÷800
=0.375×100
=37.5%

となります。自己資本や他人資本の金額は会社の貸借対照表を見ればすぐにわかりますので、自己資本比率の計算は税理士等に依頼しなくても簡単に行うことができます。

自己資本比率の目安

自己資本比率ですが目安があります。

  • 最低でも15%~20%は必要
  • それ以下だと倒産危険信号、金融機関は融資できない
  • 40%以上あるとその会社は倒産しないと言われる

「令和元年中小企業実態基本調査(平成30年度決算実績)確報」によると、業種別、黒字企業の自己資本比率は以下になります。みなさんの業種で以下の数字を超えていればまず安心といえるでしょう。

建設業

39.5%

製造業

45.6%

情報通信業

58.6%

運輸業、郵便業

36.3%

卸売業

38.3%

小売業

36.7%

不動産業、物品賃貸業

32.7%

宿泊業、飲食サービス業

14.4%

サービス業(ほかに分類されないもの)

44.9%

出典:https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/kihon/index.htm

上の事例の会社でみてみると、自己資本比率は37.5%です。製造業や情報通信業以外の業種であればおおむね黒字ラインで、まずまずの安定経営だとみることができます。この会社ならば、金融機関は追加融資に応じる可能性が比較的高いとみることもできます。

このように自己資本比率は簡単に計算でき、自社の経営状況を把握する目安になるのです。

自己資本比率は高いほど良い?

自己資本比率は高い方が金融機関からの借入もしやすくなり、経営は安定すると言われています。それでは、自己資本比率が高い方がどんな場合でも良いのでしょうか?考えてみましょう。

原則は高い方が良い!?経営は安定する?

よく経営コンサルタントの方などは「自己資本比率60%を目指したい」と言います。自己資本比率40%で十分評価されるのは前述した通りですが、60%あると、事業が完全に行き詰ったり、思わぬ災害に遭い事業の継続が不可能になったり、あるいは不祥事で市場から退場しなければならなくなったときなどにも挽回ができるラインになります。

自己資本比率60%ということは、負債=他人資本が40%です。今の事業継続が難しくなり、この負債をすべて返済するために60%の自己資本をすべて返済に充てても(60%-40%=)20%手元に残ります。自己資本比率が60%ならば債務不履行や不渡りで倒産することもありません。

そして残った自己資本が20%あれば、新事業のリスタートができるかもしれません。会社が倒産せず、かつ新しい道を開拓するためには、自己資本比率が高く、60%くらいあれば何とかなりそうです。最悪の場合の「保険」という意味でも、自己資本比率が高いことには意味があります。

自己資本比率が低くても評価されるケースがある

実は自己資本比率が低くても評価されるケースがあります。ざっくり考えると

  • 自己資本比率が高い:借入金が少ない
  • 自己資本比率が低い:借入金が多い

となります。

安定した産業ならば「自己資本比率が高い=余計な借金が少ない」ことは重要ですが、逆に成長産業でどんどん運転資金や設備資金を借りて「攻めの経営」を行うべき状態なのに、全然借入も行わず新規事業開拓をしない「守りの経営」に入っているところは、チャンスを生かそうとしないと判断されることがあります。

むやみに借入をして自己資本比率を下げることが良いとは言えませんが、場合によっては、自己資本比率が低く攻めの経営をしていることが評価されることもあるのです。

また、借入金の返済期限が1年以内の「短期借入金」が多い場合、返済の見込みがあり返済原資も確保できるという意味なので、自己資本比率が低くても、「固定負債」ではなく「流動負債」が多いと判断されるので、あまりマイナス評価になりません。

自己資本比率を下げている他人資本の中身も重要で、不良債権化している固定負債ではなく、回収見込みが高い流動負債が多い分には評価が大幅にマイナスにならないかもしれません。

自己資本比率100% これは却って危険な会社かも!?

もし自己資本比率が100%の会社があれば、それは他人資本がないということになります。無借金経営であり、きわめて優れているということでしょうか。

しかし「どこもお金を貸してくれないくらい危険ない会社」という可能性も0ではありません。どの金融機関からの借入もできなければ他人資本は0になります。

自己資本比率が高すぎる会社は、本当に優良な無借金経営なのか、問題がありすぎて借入ができないからなのか、両極端な可能性があることを知っておいてください。

自己資本利益率(ROE)との関係

最後に「自己資本利益率」(ROE)と自己資本比率の関係について説明します。

自己資本利益率とは

ROE(%)=当期純利益÷(純資産-新株予約権-少数株主持分)×100
     =当期純利益÷自己資本×100

で計算されます。

自己資本利益率(ROE)は自己資本に対し、どのくらいのお金を事業に使っているかを示すもので、高いほど効果的、効率的に利益を上げているという指標です。10%以上あると優良な会社で、株式購入などの目安になります。

自己資本比率が高いとROEは低くなり、自己資本比率が低いとROEは高くなります。つまり、

  • 自己資本比率↑ 自己資本利益率↓
  • 自己資本比率↓ 自己資本利益率↑

のトレードオフ関係になります。一般的に自己資本利益率(ROE)が高いほど、投資価値のある会社だと判断されます。ということは無借金経営の超優良会社で自己資本利益率が高い会社(=自己資本利益率が低い会社)は投資価値がないのでしょうか?

違いますよね。無借金経営の優良会社がもし社債や株式を発行すれば、それは購入すべきです(失敗の可能性が低い)。

つまり、自己資本利益率(ROE)だけでその会社の投資価値を判断するのはよくないということになります。自己資本比率とトレードオフの関係がある指標があるのだとここでは知っておいてください。

まとめ 企業の経営に関することのご相談は「企業パートナー110番」へ

以上、自己資本比率について解説しました。自己資本比率の数字だけならば、みなさんの貸借対照表によって計算できますが、この数字がみなさんの業種で妥当なのか、あるいは自己資本利益率とのバランスは適切なのかなど、専門家のアドバイスを受けた方がいいケースもあります。

自己資本比率が低くても問題なく、金融機関からの借入も可能なケースもあります。こうした細かい部分についてはぜひ専門家のアドバイスを受けてみてください。

「企業パートナー110番」は自己資本比率の計算をはじめ、それをもとにした借入等のアドバイスを適切にいたします。一度相談していただき、みなさんも会社の「健康診断」をしてみてはいかがでしょうか?

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